仕事相手になかなか意図が伝わらない
仕事相手とのコミュニケーションに悩んでいます。納品物について、その都度説明するのですが、こちらが依頼した状態に仕上がってきません。私の前任者のときは問題なかったようです。対応が丁寧なので継続して依頼したいのですが、新担当の私ばかりが悪いみたいで自信がなくなってきました。
男性/30代
2021/12/21
コミュニケーションってむずかしいものですよね。言葉ひとつとってみても、人によって、その言葉から連想するものは違っていますし、また、伝えるタイミングや口調によっても、その言葉から受ける印象は変わってきます。
仕事上のやりとりでも、働いたことがある人なら誰もが、何回となく、うまく伝わらない、という経験をしてきています。ですから、まずは、そこまで自分を責めなくてもいい、でも、反省して次に生かそう、と見方を切り替えてみるといいと思います。きっと、少し楽になるでしょうから。
さて、対処についてですが、どんな納品物なのかなど、詳細がないなかなので、一般論でお伝えします。まず、念のためですが、説明の仕方は具体的なものになっているでしょうか。例えば、もしその納品物が形のある物だとして、例えば、発注側が「もう少しエッジをきかせて」といった指示をすると、エッジをきかせるというのがどの程度なのか、発注者と受注者のイメージが違っている可能性があります。もしその納品物が企画やデザインのような形のない物の場合でも、同じく「もう少しエッジをきかせて」では、エッジがそもそも何を意味するのか、言う側と聞く側のイメージがずれている可能性があります。
基本的なことになりますが、指示はより具体的に、口頭だけではなく、書面で伝えることが大切です。必要に応じて、見本となるような絵図や写真、実物を提示するのもいいでしょう。また、仕上げの前に一度チェックする工程を設けることで、お互いの意図のすり合わせができるようになります。
さて、ここまではテクニカルな話で、意識して実行していけばそうむずかしくはないのではないでしょうか。それでも、「わかっているけれども、打ち合わせの場になると、うまくできない」というのであれば、より心理的な問題となってきます。人によっては、会話のやりとり自体が高いハードルです。発注ひとつとっても、言うべきことを言い切れない、何か言われたときに適切な返しができない、といったことがあり得ます。原因としては、相手の忙しさに気が引けて、とか、相手にかかる負担を考えすぎてしまって、といったことが考えられます。そうすると、つい、言うべきことをはしょってしまったり、「だいたいこんな感じで」といったゆるい指示にとどめてしまいがちで、結果的に、思ったものとは違うものができあがってしまいます。
このように、うまく主張できないことを、心理学では「アサーティブではない」などと言うことがあります。逆に「アサーティブである」とは、簡単に言えば、相手の気持ちや立場にも配慮しながら、自分の要求や意見をちゃんと伝えることができている状態、のことです。いかがでしょうか、アサーティブなコミュニケーションができていますか? もし、アサーティブではないようなら、「アサーティブ(アサーション)トレーニング」という改善法が開発されていて大いに活用されていますので、まずは一般向けの本などで調べてみて、良さそうなら、市民向けの講習や研修に参加してみるのもよいと思います。きっと、仕事上でのやりとりで、伝えるべきことがしっかり伝えられるようになり、自信を持てるようになると思います。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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