20代の娘が過食気味、どう対処したらいい?
24歳の娘が、部屋にお菓子をたくさん買い込んでいて、こっそり食べているようで、どう対処していいかわかりません。本人は私に知られているとは思っていないようです。最近はあまり出かけなくなりました。甘えてきたかと思うと、暴言を吐くなど態度が極端で、私のほうが疲れてしまいます。
女性/50代
2021/12/21
最初、過食気味というところが気になりましたが、過食の問題という以上に、娘さんのあなたへの愛憎や、あなたの、娘さんにどう向き合えばいいのかわからないという戸惑いが、より強く伝わってきました。もしかして、このお悩みは、より広く母娘あるいは親子関係の問題なのではないかと感じられましたが、いかがでしょうか。
ひとくちに過食といっても、状態の軽重があります。「過食症」となると、例えば、スナック菓子2、3袋と菓子パン2、3個くらいを食べるところから始まり、さらに、買ってきたお弁当なら2人前くらい、炊飯器に残っているご飯なら残っているだけ「ありったけ」を一挙に食べて、それでも止まらず、さらにパスタを数人前ゆでて、あるいは食パンなら一斤丸ごと、すごい勢いで食べて……と、驚かれるかもしれませんが、このくらいがむしろ典型例です。
ですから、娘さんの過食は、おっしゃる通りで、現状ではおそらく「過食気味」くらいでしょう。とはいえ、健康上よくないのは確かなので、ご心配されるのもわかります。できたら、娘さんの買い食いを止めるなり、減らすなり、したいですよね。
そこで、元の話に戻りますが、娘さんが、あなたに甘えてきたり、一方では暴言を吐いたり、といった状況は、娘さん一人の問題というより、親子関係がうまくいっていない、という二人の関係性の問題として感じられます。実際、娘さんは、あなたに買い食いを知られまいとしていますし、あなたも、気づいていることを隠しています。これ、少し寂しいことですよね。なぜ、親子なのに「大丈夫?」と声をかけられないのでしょうか。娘さんも、大人なのに、なぜ買い食いをそこまで隠す必要があるのでしょうか。
こういう状態を、心理学では、愛着(アタッチメント)の問題として捉えます。娘や息子が子どもの頃に、親や周りにいる大人に十分に甘えて、安全・安心を感じられるようになると、親を基地として世界を探索し始め、自然に自立していきます。しかし、子どもが、欲しい時に欲しい愛情をもらえなかったり、欲しくないときに欲しくない愛情を押しつけられたり、という愛情の行き違いが長く続くと、子どもは安心感が得られないまま大人になります。甘え足りていないので、まだ甘えるし、一方で、伸びきれない自立のエネルギーが時折爆発して、反抗期の子どものように、親に当たります。
過度の買い食いも、単なるストレスから生じる場合もありますが、親や大人にしっかり甘えられなかったことから、甘える行為の代替として起きている可能性があります。では、どうすればいいかですが、基本的には、腫れ物に触るようにではなく、子どもにしっかりかかわることをおすすめします。そのかかわりの中には、さりげなくほめたり、望むならハグしたり、という適切に甘えさせてあげる部分と、暴言を吐くなどについては、ダメなものはダメと適切にルールを入れていく部分とがあります。基本は前者を多めにしてくださいね。また、お菓子をたくさん買い込んでいることを心配している気持ちを伝えたり、何か悩んでいることがないか話を聴いてあげたりすることもいいと思います。
親子関係が改善されるにつれて、娘さんの買い食いが自然に止まる可能性は十分にあります。おそらく、過食はひとつのアラームサイン。これを契機に、新しい親子関係に一歩を踏み出してみませんか。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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