梅毒の検査と注射による新しい治療法

2025/04/21
梅毒の可能性がある場合、どんな検査や治療が行われますか? 注射による新しい治療法もあると聞きました。
この質問への回答
愛知医科大学医学部 臨床感染症学講座 教授
三鴨廣繁
梅毒の検査は「血液検査」が一般的です。採取した血液から体内の抗体を調べて、梅毒に感染しているかどうかを判断します。血液検査は、血中の抗体を測定する脂質抗原法と梅毒トレポネーマ抗原法の2つに分類されます。
脂質抗原法は、脂質抗体を測定するもので、梅毒の初期診断、治療後の判定に用いられます。
梅毒トレポネーマ抗原法は、梅毒を引き起こす梅毒トレポネーマという細菌に対する抗体を測定するもので、梅毒感染の有無、治療後の判定に用いられます。
その他にも、病変部位の滲出液や脳脊髄液などの検体から梅毒トレポネーマの遺伝子を検出する「PCR検査」、皮膚や粘膜の病変部から梅毒トレポネーマを直接、顕微鏡で観察する「病理組織検査」などがありますが、一般的な病院やクリニックでは実施が難しい場合が多いです。
梅毒治療の基本は抗菌薬です。ペニシリン系抗菌薬を1日3回、最長で12週服用することで完治が可能です。
また、2021年にペニシリン剤の筋肉注射が承認され、感染から1年未満の早期梅毒の段階であれば1回の注射で済み、感染から1年以上経過している症例でも1週間に1回の注射を連続3週間受けることで完治が期待できます。
なお、薬を途中でやめてしまったり、治療中に性行為を行ってしまうと、それにより梅毒に再感染することもあるため、治療期間は性行為を控えるようにしてください。
※2025年2月18日時点の内容です。


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