親の暴力がトラウマで上司の叱責が怖い
会社の上司の叱責が怖くてたまりません。私は幼い頃、父から暴力をふるわれていたことがあり、男性の大声や怒鳴り声を聞くと体が恐怖で硬直してしまい、動けなくなってしまいます。上司は悪い人ではないのですが体も声も大きく、ちょっと叱られただけでも怖くてたまらず、逃げ出したい気持ちになってしまいます。過去のトラウマを払拭して、普通に職場で働いていくにはどうすればよいのでしょうか。
男性/20代
2021/12/21
体も声も大きな上司がいて、ちょっと叱られただけでも逃げ出したい気持ちになり、困っているのですね。幼い頃に父親から暴力をふるわれていたという経験があるとしたら、そうした気持ちになるのも無理のないことと感じます。決して自分を責めるのではなく、そうしたことがありながらも、がんばってきた自分を認めて、労っていただきたいと思います。
社会人として生活していくなかでは、こうした人との出会いをどうしても避けられない状況も生じるのかもしれませんね。
幼い頃に、怖い思いやつらい経験をしてきたことを考えると、すぐに過去に受けた心の傷やその影響を克服するのはむずかしいかもしれません。しかし、あなたが現在の上司に対して、叱られると怖い気持ちはあるけれど悪い人ではないと感じているのですね。それなら、まずはこの上司との関係の中で、自分の気持ちや感じ方、困っていることなどを伝えたり、話し合ったりできるとよいと思いますが、いかがでしょうか。
体が大きい人や声の大きい人が、必ずしもみんな怖い人だったり、暴力をふるったりするわけではないことを、頭では理解しているけれど、過去と同じような場面に遭遇すると、心と体が無意識に自然に反応してしまうのは、少なからず起こることだと思われます。知らず知らずのうちに、何もできなかった子どものときの自分に戻ってしまっているのかもしれません。そんなときは、まずそれに気づいて、「今はもう自分は大人で、逃げることもできるし、話し合うこともできる」と考えられるとよいと思います。
怖いと感じる状況で、すぐに考え方を変えるのがむずかしい場合には、大きく息を吐き出す、一旦体に力を入れて脱力するなど、体の感覚に意識を集中させると、緊張や恐怖が少し和らぐかもしれません。頭の中で(必要であれば声を出して)、「1・2・3」と数を数えるのもひとつです。大人の自分である「いま」に戻ってきて、状況を正しく把握し、対処できることに気づいていけるとよいですね。
そうは言っても、一人で上司に向き合うことがどうしてもむずかしい場合には、産業保健スタッフなどに相談し、上司にあなたの症状への理解を促してもらってもよいと思います。決して一人で抱え込まないようにしてくださいね。
また、幼い頃に受けた心の傷を払拭することは、想像以上に大変な作業で、多くの時間やエネルギーが必要な場合もあります。そんなときには、信頼できる人に経過を一緒に見守ってもらうなどのサポートを得ることも、とても大事だと思います。そういった人がなかなか見つからない場合には、専門的な知識を持つカウンセラーに相談するのもひとつです。ご自身の抱えている課題が整理され、新しい気づきが得られることでしょう。
一人で抱え込まず、あなたを理解してくれる人とのやり取りに支えられながら、新しく出会う人たちとのかかわり方やつながり方を経験していくことで、これまで抱えてきたつらさが少しでも軽減し、毎日をあなたらしく過ごせるようになるとよいですね。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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