小学5年生の息子が時々うそをつく
小学5年生の息子が、時々うそをつくようになりました。塾をさぼったのに「塾へ行った」とか、ノートはまだあるのに「ノートを買うお金をちょうだい」などと言います。学校の先生からも「掃除していないのに『した』と言ったり、女子を泣かせたのに『泣かせていない』と言うので、家庭でも話をしてほしい」と言われました。こんなときどう接してよいかわからず、息子に対して不安な気持ちになってしまいます。
女性/30代
2021/12/21
小学5年生の息子さんがうそをつくということで、学校の先生からも家庭で話をしてほしいと言われたのですね。親として、不安な気持ちになるのは当然のことだと思います。
まず、息子さんがうそをついた理由や背景を考えてみましょう。息子さんなりに真剣に考えて、そうせざるを得なかったのかもしれませんし、例えば、塾に行くことで何かつらい思いをしている可能性も考えられます。女の子を泣かせたことにも、理由があったのかもしれませんね。
そうやって背景を想像した上で、うそをついたことそのものよりも、まずは息子さんがうそをついた状況や理由を理解しようとすること、そこに着目して考えてみることが大切だと思います。一見すると間違った行動の中には、子どもとしてごく当たり前の願いや思いが込められていることがあります。ですので、うそをついたことを心配していると伝えながら、まずはていねいに息子さんの気持ちを聴いてみましょう。咎めていると思われないように、声のトーンや態度、言葉に気をつけながら、じっくりと耳を傾けてあげてください。
うそをついた理由がわかったら、「そういうときには、こうしたほうがよいかもしれないね」と、代わりにどうすればよかったかなどを具体的に話し合えると、息子さんも自分のやり方を直しやすいかもしれません。子どもは、自分の気持ちや感情に気づいたり、自分の行動の良し悪しを判断して行動したりすることができないときが多々あります。こういった機会を通して、少しずつよりよい表現や行動の仕方を身につけていけるとよいですね。
一方、子どもによっては、さみしさから親を困らせてでも自分を見てほしいと思っていたり、親のしつけが厳しくて、怖くて本当のことが言えないなどの理由から、問題が起こることもあります。その場合、話を聴いていくと、親への思いや期待をぶつけてくることもあるかもしれません。そういった気持ちもなるべく否定をせず、それに応えられるかどうかも含め、じっくり話し合えるとよいでしょう。
心理療法のひとつに家族療法と呼ばれるものがありますが、家族療法の視点では息子さんのような立場をIPと呼びます。これはIdentified Patientの略であり、「患者と見なされた人」という意味です。家族療法では「IPは、背景にある家族全体の問題を代表して症状を表している」と考えます。場合によっては、夫婦の関係、親子の関係、他のきょうだいとの関係、家族全体が健全に機能しているかなど、「家族のあり方」を振り返る必要があります。
いずれにしても、息子さんとの話し合いが前向きな結果になった場合も、息子さんがうそをつく理由や気持ちなどを話してくれなかった場合も、その様子ややり取りを担任の先生に伝えてはいかがでしょうか。子どもによくない行動が見られるときには、学校と連携を取りながら様子を見ていくことも大切です。もし、家庭での接し方に悩むことがあるのであれば、先生に相談するのもひとつですし、必要に応じてスクールカウンセラーに相談してもよいと思います。不安な気持ちを一人で抱えずに、時には専門家のサポートも得ながら取り組んでいきましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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