仕事と介護の両立に疲れ果ててしまった

お母様の介護とご自身の仕事を両立しているのですね。介護のために仕事を休むこともあるとのこと。介護での身体的な負担はもとより、社内の目を気にしながらお休みすることも大変なご負担だと思います。

お母様の介護はご相談者がお1人で担っているのでしょうか。ご家族、兄弟姉妹など、協力していただけそうな方がいるようでしたら、何か分担していただけることがないか、話し合ってみてください。実際に動いていただくのがむずかしくても、相談ができたり、話を聞いてもらえるとよいと思います。

また、介護保険によるサービスは利用していますか。介護を必要とするご本人の「他人の世話になりたくない」という気持ちや「他人に任せず、自分で行いたい」というご家族の気持ちをよくお聞きしますが、一番に担ってきたご自分が倒れては元も子もありません。疲れ果ててしまった今が、介護サービスについて考えてみるタイミングだと思います。

利用を検討するなら、お母様の住まいの「地域包括支援センター」に相談いただくとよいでしょう。地域包括支援センターとは、専門知識を持つ職員が高齢者が住み慣れた地域で生活できるように介護・介護予防・保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じ、介護保険の申請窓口も担っています。すでに何かしらのサービスを利用されている場合、ケアプランの見直しも必要かもしれません。担当のケアマネジャーへご自身の負担感も合わせて、遠慮なくご相談ください。

次に、職場でできることですが、上司や同僚などに介護を担っている事情を話されたことはありますか。事情を話すことができ、多少でも理解が得られると、休むことへの負担感は今より減るかもしれません。また産業医や保健師など、従業員の心身の健康を守る産業保健スタッフが配置されている職場もあります。お勤め先におられればぜひご相談ください。体調やお気持ちだけでなく、職場の業務内容や量、勤務時間など、職場で調整できそうなことがないか相談することも1つだと思います。

精神的に疲れ果てたとあり、ご相談者の体調がとても心配です。もし眠れない、食欲がないなど日常に支障がある状況が続いているようでしたら、メンタルヘルスの専門医療機関へのご相談をおすすめします。体調を整えることで社内の目が今より気にならなくなる、仕事をやめようとまで思い詰めずに済むということがあるかもしれません。

介護をお1人で抱えてしまうのではなく、ご家族や専門家とともに考え、ときにはご自身のケアを優先してリフレッシュの時間を確保することも、ご自分だけでなく、お母様を守るためにもとても大切なことです。