Question

お酒をゆっくり飲むメリットは?

節酒に加えて、健康を害さないような飲酒の時間帯や量はどのくらいでしょうか? また、お酒を飲むペースはゆっくりのほうがいいと言いますが、どんなメリットがあるのでしょうか?

女性/40代

2024/06/09

Answer

お酒を飲む時間帯については、深夜まで飲むのは避け、できるだけ早め(例えば、寝る3時間程度前までの午後9時前には飲み終えるなど)がよいでしょう。消化しきれない余分なエネルギーが体に蓄えられ、体重増加や肝機能の数値が上がりやすくなるからです。


アルコールの大半は小腸から吸収されます。消化管に入ったアルコールは、飲酒から1~2時間でほぼ吸収され、分解が開始されます。アルコールの分解はおもに肝臓で行われますが、飲酒後の血中濃度は30分~2時間後にピークとなり、その後は徐々に下がります。アルコールの分解速度は個人差があり、体質など多くの要因が関与していますが、女性は一般的に男性と比較して分解できるアルコール量も少なく、アルコールの影響を受けやすいといわれています。


1日の適量は、日本酒なら180mL、ビールなら500mL、焼酎の場合は25度で100mL、ワインは200mL、ウイスキーは60mL程度とされています。この量を肝臓が処理する時間は、おおよそ3時間です。

短時間で飲むと、アルコールが一気にからだに吸収され、血中アルコール濃度がゆっくり飲んだときと比べ、明らかに上昇します。そのため、酔いの程度が強くなり、知覚や運動機能の低下が生じます。

また、極端な例ではありますが、血中濃度が急激に上がりすぎると、個人差はあるものの処理が追いつかず、アルコール性の肝炎、急性アルコール中毒膵炎の原因になることがあります。


時間をかけて飲むことのメリットは、アルコール濃度の急上昇を抑えられる点ですが、あくまで飲酒量と肝臓への負担は正比例するため、からだへの負担を確実に減らすにはゆっくり飲む、できるだけ薄めて飲む、つまみながら飲む、週当たりの総飲酒量を抑える、休肝日をとることが原則となります。


また、空腹での飲酒は、アルコールが胃からすぐに小腸に入るため、吸収が早くなって血中濃度が上がりやすくなり、酔いの症状が強く現れます(アルコール濃度の高いものほど影響しやすいです)。

飲酒の合間に水分をとる、つまみをとりながらゆっくり飲むと、アルコールが胃にとどまる時間が長くなります。このため、アルコールの吸収がゆっくりとなり、血中濃度を低く抑えることができます。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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アルコール
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