胃カメラで「食道裂孔ヘルニア」の指摘

食道裂孔ヘルニアについてご説明いたします。食道は胸腔内にあり、胃は腹腔内にあります。胸腔と腹腔の間には横隔膜があり、食道が通っています。食道が通る穴を食道裂孔と呼びます。この穴から胃が胸腔内に飛び出してしまった状態が、食道裂孔ヘルニアです。

主な原因は、加齢などで緩んだ食道裂孔に、腹圧が上がって胃が押し上げられるためです。無症状のことも多く、健診などで見つかるケースが少なくありませんが、胃内容物が逆流しやすくなり、逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。胸やけやすっぱいものが上がってくるなどがあれば、逆流性食道炎の症状かもしれません。

要精密検査の指示がなければ、経過観察でよいことになります。ただし、何らかの症状が出た場合は消化器内科・胃腸科などの受診をおすすめいたします。

定期的な健診を欠かさず、暴飲暴食を防ぐなど、生活習慣を整えていくよう心がけるとよいでしょう。