認知症の母の「物盗られ妄想」がひどくなっている
認知症の母の「物盗られ妄想」がひどくなっています。ふだん介護をしている父への対応がもっともきつく、父は毎日のように母から暴言を吐かれています。なぜそんなに疑うのか尋ねても、知らないと言うばかりです。本人は認知症だとの認識はなく、医療機関の受診を拒否しています。現在、週2回のデイサービスを利用しています。今後、どのように対応していけばいいでしょうか?
女性/60代
2024/05/21
あるはずの物がそこにないとき、認知症の人は「だれかに盗まれた」と言うことがあります。盗んだと指摘する相手は、その人をサポートする主介護者であることが多いです。この「物盗られ妄想」は、認知症の比較的初期から中期頃にみられる症状です。
認知症では、記憶力が低下して、新しく起きたことを覚えておくことが難しくなり、自分の言動や行為も覚えていないことが多く、失敗や間違いを指摘しても自覚できません。そのような状態で何度も責められたりすると、自分が否定されていると考えて、指摘する相手に対して、さらにマイナスの感情、嫌悪感を抱くことがあります。
妄想の言動が増えている場合は、家族は犯人扱いされることが多いため、介護サービスを手厚くして、主介護者とは距離を置きくほうがいいでしょう。
また、妄想に伴い、興奮や暴言・暴力がある場合には、医療的な介入が必要となります。お母様はこの状態に当てはまるようですが、本人に認知症の自覚はなく、受診を拒否しているとのこと。このような場合には、「訪問診療」の導入を検討してもよいのではないかと思います。まず担当のケアマネジャーに、訪問診療について相談することをおすすめします。
また、各自治体には「認知症疾患医療センター」が設置されています。「認知症疾患医療センター」は、地域のかかりつけ医や介護事業者や施設と連携し、診察や相談に応じる専門医療機関です。相談から治療、介護サービスの利用までワンストップで支援する役割を担っています。こちらを利用されることもおすすめいたします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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