吃音の息子が心配
小学生の息子は吃音があるため、自分の気持ちや状況をうまく説明するのが苦手です。そのため、周囲に誤解を受けて面倒なことに巻き込まれてしまいがちです。親としてどうすればよいでしょうか。
女性/30代
2021/12/21
吃音は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。「あ、あ、あ、あのね…」のように音を繰り返したり、「かーらす」のように音を伸ばしたり、つまってなかなか語頭が出なかったりします。
医学的に、吃音の原因はいまだはっきりとは解明されていませんが、体質的な要因、心身が急激に発達する時期の影響、周囲の人との関係や生活上の出来事などが互いに影響し合っておこるといわれています。なかには、ストレスや脳の損傷などにより生じることもあるようです。
小さいときは、自分の話し方がほかの子とは違うということを気にしないでいられますが、成長に伴い自分がうまく話せていないことがわかるようになると、恥ずかしさや不安を感じるようになります。その結果、話すこと自体を避けがちになり、さらにそのことが、今回のご相談にあるように、周囲の誤解を生むことも。それによって、いっそう不安が強くなる…と悪循環が生じてしまいがちです。
親としてどうすればよいかというご質問ですが、まずお子さんにとって表現することへの不安が軽減されることが大切です。不安の軽減にはいろいろな方法がありますが、そのひとつとして、お子さんが「言いたいことが伝わった」という成功体験を積むことがあります。
親が日ごろから子どもの吃音を心配していると、親子で会話するときにどうしても子どもの話し方に注意がいってしまいがちです。しかし、大切なのは子どもが何を言いたいのかを理解することです。
話の内容に注意を向け、ゆっくりと話を聞いてあげ、話がわかったよというサインを出してあげてください。どうしても言葉が出ないときには、少し代弁するなどして助けてあげると話しやすいこともあります。
学校で問題がおこることが多い場合は、先生やクラスメイトにお子さんの状況を説明して、理解を求めることも必要かもしれません。言語以外の意思表示の方法(筆談やジェスチャーなど)を学校と相談したり、また、各自治体には「ことばの教室」や「療育センター」などの吃音のトレーニングを行っている施設もあるので、状況に応じて利用を検討してもよいでしょう。
吃音があると、幼い自尊心がどうしても傷ついてしまうような出来事がおこりがちで、見守る親にとっても、胸の痛いことだと思います。しかし、それを乗り越えた先には、大きな人間的な成長が得られるはずです。お子さんの成長を信じて、お子さんの自尊心のベース基地になっていただけたらと思います。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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