基準値内ながら、ALTとγ-GTPが年々悪化
毎年、受けている健康診断で、年々肝臓の数値(ALTとγ-GTP)が悪くなっているのが気になります。現在はギリギリで基準値の範囲内ですが、何が原因なのでしょうか?
男性/40代
2024/05/03
毎年受けている健康診断で、ALTとγ-GTPの数値が、現在はギリギリ基準値の範囲内ながら徐々に上昇しているのですね。
ALT(GPT)およびγ-GT(γ-GTP)は肝機能の検査です。ALTは血液中に存在する酵素で、肝細胞にダメージがあると、細胞の中に多く含まれているASTやALTが細胞の外へ放出されて、血液中に増えてきます。血液中のASTやALTを測定することで、肝細胞にダメージがあるかどうかを把握することができます。
γ-GTは、たんぱく質を分解する酵素のひとつで、主に胆道(肝臓から分泌される胆汁と呼ばれる消化液の流れる管)に疾患があると、γ-GTやアルカリホスファターゼ(ALP)と呼ばれる酵素(胆道系酵素)が上昇します。したがって、これらの酵素は胆道系の病気の診断や経過観察に用いられます。
また、生活習慣によってγ-GTが上昇することもあります。飲酒をするとγ-GTの産生が誘導され、高い値を示すことがあります。お酒を大量に摂取していてもγ-GTが基準値の人もいれば、少量で上昇する人もいます。個人差がありますが、一般的には、男性よりも女性のほうが飲酒の影響を受けやすい傾向があるといわれています。
飲酒の習慣がある場合には、2週間程の禁酒後にγ-GT値が低下していれば、およそ飲酒が原因と考えられます。
そのほか、γ-GT値が上昇する要因として考えられるのは、肝臓に脂肪が蓄えられている場合です。この場合にはASTやALTといった検査値も上昇しますが、腹部超音波検査で容易に診断できます。また、薬の内服やサプリメントなどの摂取が影響している場合もあります。
ASTやALT、γ-GTについてはこのような意味があり、主に肝臓や胆道系の指標として用いられます。通常、医師はこれらの結果だけではなく、その他の検査結果や診察所見、問診などを総合的に考慮して診断します。薬を服用している場合は、主治医に検査結果を持参して相談してください。サプリメントを摂取している場合は、1カ月程度中止してみて、医療機関で再度検査を受けてもよいかと思います。また、飲酒量が多いのであれば、生活習慣面から取り組んでみて、経過を観察するのもよいかもしれません。
肝機能の数値は、変化を確認することが大切です。現在のところ、肝機能の検査において、異常な値はないので、今後も生活面で気をつけながら、数値が上昇してくるようであれば、内科で相談することをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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