うつ病の家族へのサポート
実家で両親と暮らしている妹がうつになりました。現在、病院から薬を処方されて、自宅で療養していますが、強い薬のせいか、ぼーっとしていることが多いそうです。何とか力になりたいと思うのですが、仕事の関係でなかなか実家に戻れません。どのようにサポートしていけばよいでしょうか。
女性/30代
2024/05/02
メンタル面での病気は、からだの病気やけがと異なり、様子がわかりづらいため、周囲の方はどのように接していけばよいかとても悩むものです。
うつ病の療養についてですが、回復のためには十分な休養、治療と服薬、安心して過ごせる環境が大切です。妹さんは医師の診断を受け、治療をされているようですね。うつ病の治療は、定期的に通院し、処方された薬をきちんと服用して、無理のない安心した環境で療養することが回復への近道です。 ただし、治療をすれば一気に元気になるというわけではありません。休養や薬などの治療効果が出てきて、気持ちの落ち着き、徐々に生活や趣味への関心が湧き、それから最終的に職場などの社会復帰となるのが、一般的な回復過程です。
うつ病はこころの負担が積み重なって症状が現れるため、こころが健やかな状態に戻り、安定するためには、ある程度の時間を要します。
また、うつ病の再発は再燃ともいいますが、いったん病状が回復しても繰り返すことは珍しくないため、内服治療などについては、定期的な診察を続け、状態をよく診ていただいた上で、主治医の指示のもと、必要な治療を続けることが大切です。
薬の副作用については、薬によっては、回復を促す目的もあり、意図的にぼんやりするような作用を期待していることがあります。また、薬の副作用はさまざまですが、中枢神経系の副作用として鎮静作用、いわゆる眠気がしばしばみられることがよくあります。したがって、現れている症状は、回復の過程ととらえることもできるのですが、状態についての判断は医師でなければできないため、家族として心配なことがあれば、主治医へ相談してみることをおすすめします。
家族のサポートの仕方としては、一般的に治療を開始後数週間~1カ月の間は、薬の影響で眠気や吐き気などが生じることもあり、生活リズムも乱れがちです。身の回りのことが自分でできる程度に回復したら、規則正しい生活を送れるようにサポートすることが一般的です。
接し方については、よく「うつの人に頑張れと励ましてはいけない」といわれます。うつ病の症状のひとつに、自分を価値のない人間だと考えたりする、悪い方向に捉えてしまう傾向があり、このようなときは、周囲の励ましを「自分の頑張りが足りない」と受け取られてしまう可能性があるようです。 妹さんと話をするときは、隣に座って「そうなんだね」と、じっと話を聞いてあげるとよいでしょう。
また、自分が心配していることや、一緒に回復を目指していこうと思っていることをしっかり伝えましょう。
そして、ご家族を支える気持ちを大事にしつつ、自身の気分転換も大切にしてください。気持ちを楽に過ごすことを心がけ、あせらずゆっくり見守ることをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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