Question

長引くじんましん、慢性化しないか不安

2週間程前に、じんましんの症状が出たので、皮膚科を受診して内服薬と塗り薬を処方してもらいました。これまでならすぐに回復していたのですが、今回はどんどんひどくなってしまいました。薬を変え、何とか症状は落ち着きましたが、いまだに治っていません。原因もわからず、主治医からは、このまま薬の治療を続けるようにいわれるだけなので、慢性化してしまうのではと不安です。

男性/40代

2024/05/03

Answer

じんましんの治療が長引いており、このまま慢性化するのではと、ご心配のことと思います。

じんましんには急性と慢性があり、症状が1カ月以内で治まるものを急性じんましん、1カ月以上続くものを慢性じんましんといいます。

一般的には、急性じんましんは薬や食品(卵、ナッツ、エビなど)、花粉、食品添加物(食用色素、保存料)などが体内に入ることで起こるアレルギー反応によることが多く、時間とともにそれらが体外に排出されると治まります。

慢性じんましんは、便秘や下痢、疲労、睡眠不足、内臓の病気や、寒冷、温熱(入浴後など)、発汗などによって起こり、症状はしばしば繰り返し、ストレスや疲労などによって悪化することもあります。

また、慢性じんましんのなかには、それが原因とは知らずに、繰り返し毎日のように食べる食品や食品添加物によって急性じんましんを繰り返すケースもありますが、症状が皮膚に限られている場合には、時間の経過とともにやがて治まっていくことがほとんどです。


じんましんの一般的な治療は、原因が特定できれば、その原因を避けることに加え、症状に合わせて抗ヒスタミン薬などが処方されます。多くのじんましんは内臓の病気とは無関係なことが多いため、一般的な検査を行っても原因が特定できないことは少なくありません。

しかし、皮膚症状のほか、全身のだるさ、関節の痛み、発熱などの症状があれば、内臓の病気の可能性が疑われるため、血液や尿の一般検査、胸部や腹部のX線検査など、必要な検査が行われます。

また、じんましんの原因が食品や薬剤、寒冷などの可能性が考えられる場合には、食品摂取および除去テストや薬剤内服テスト、寒冷試験、パッチテストなどの特殊検査などにより原因があるかどうか確かめる方法もあります。


薬による治療と同時に、規則正しい生活や十分な睡眠、バランスのよい食事など普段から体調を整えることも大切です。刺激の強い食べ物や熱いお風呂なども避けたほうがよいでしょう。魚や肉などは新鮮なものをとることも大切です。

また、じんましんの症状はかゆみが強いのですが、かけばかくほど症状が広がることもありますので、かゆみが出始めたときには、冷たいタオルでかゆい部分を冷やすなどして、できるだけかかないように心がけてみてください。


一般的に症状が強い場合や長く続いた場合は、皮膚の症状がよくなったあとでも、しばらく薬を続けて様子をみていくことがすすめられています。

主治医からの説明があまりないまま症状が続いているため、慢性化するのではと心配されるのも無理もありませんが、現在、標準的な治療が行われていると考えられます。

次回受診時には、主治医に今後の見通しや治療の選択肢(ほかにも補助的に行う治療方法などはあるか)、原因を調べる検査の必要性やその内容などについて、遠慮せずに相談してみることをおすすめいたします。 受診の前にあらかじめメモなどに疑問に思うことや知りたいこと、心配なことをまとめておくとよいでしょう。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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