分厚くなった足の爪を改善したい

爪が厚くなる疾患としてはいくつか考えられます。爪が厚くなると同時に、伸び方が非常に遅くなって、数カ月経っても数㎜伸びるか伸びないかといった状態になり、色はピンク色から灰色、あるいは褐色になります。この状態は、年齢とともに起こる変化とされ、病的なものではないので心配する必要はありません。原因の多くは、足に合わない靴などによる圧迫と考えられています。そのほか、外傷、骨折などがきっかけでなることもあります。

厚い爪を切るためのニッパー式の爪切りや、ヤスリなどを使用し、爪への負担を軽減して爪が厚くなっている指に靴が当たらないように調整する方法があります。最近では、足の形に合わせて靴を選んだり、靴と足に関する知識を持つシューフィッターがいる店もあります。そのようなところでご自身に合う靴を選んでみるのもよいでしょう。

そのほかに、爪白癬（水虫）が挙げられます。爪の症状はいろいろですが、一番多いのは爪が白や黄色に濁って厚くなり、爪の下がボロボロになるのが特徴です。皮膚科で爪白癬と診断された場合は、塗り薬と服薬で治療します。通常は内服薬で治療することが多く、内服開始後、数カ月間で爪の症状は徐々に改善します（変色した爪を回復させるものではないので爪が生えかわるまでの期間が必要）。爪白癬の原因菌は爪とその下の皮膚に存在するため、塗り薬はこの部位に薬剤がいきわたるよう、皮膚との境界部も含め爪全体に十分に塗布します。

ご相談者は1年間以上、爪白癬の塗り薬を使用されても軽快しないようで、一度皮膚科主治医と今後の見通しや、今回ご紹介した対処の方法が適切かどうかについてよく相談されるとよいと思います。