うつ病の息子。復職後も仕事を休みがちに
息子がうつ病になり、約1年の休職後、職場復帰しました。しかし、朝、会社に行く準備をしても結局、欠勤してしまうことがたびたびあります。今は口を出さず、黙って待つ気持ちでいますが、それでよいのか、接し方に悩んでいます。
女性/50代
2024/04/23
うつ病は、ひと言で説明するのがたいへん難しい病気です。脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続きます。さらに、だるさ、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、しびれ、息苦しさ、頻尿など、さまざまな身体症状を伴うこともある病気です。
私たちは日常の中で時折、憂うつな気分を味わいます。脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって時間の経過とともに元気になるのが通常です。時間が経過しても改善しない、または症状が強く現れる場合は生活への支障が出てくることがあります。
うつ病は、症状が改善されれば治療が終わるというものではなく、よくなったり、コンディションが優れなくなったりという小さな波をもちながら、階段をゆっくり1段ずつ上るように改善していきます。そして、うつ病の患者さんの8割ほどは以前の元気が回復しているといわれる「寛解」状態を迎えることができるとされています。
治療の期間は、急性期、回復期、再発予防期の3つに大きく分かれると考えられます。急性期に重視すべきなのが休養、回復期は薬物療法、再発予防期は精神療法・カウンセリングとなります。
息子さんは職場に復帰後、よくなったりコンディションが優れなかったりの小さな波をもちながら過ごされている状態と思われます。会社に行きたいとの思いで準備をしても、からだが動かないというようなエネルギーが少し不足している状態なのかもしれません。
「口出しせず、黙って待つ」ことについては、まずご本人が今どのような気持ちで過ごされているか、無理のない範囲で伺ってみてはいかがでしょうか。状況を知ることで、黙っている(息子さんが回復するために安心できる環境をつくり、様子をみる)ことの意味が見出せるのではないかと考えます。ご本人のお気持ちを理解できれば、ご相談者のお気持ちが楽になることもあります。
毎回の受診に付き添う必要はありませんが、一緒に主治医の話を聞き、息子さんが今どのような状態にあり、どのような点に気をつけてサポートするとよいのかを伺ってみるのもよいでしょう。また、家族が病気になると、ほかの家族に負担がかかることは多くみられます。ご自身がリフレッシュできる時間も大切になさってくださいね。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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