Question

男性にも産後うつ? 仕事と子育てで疲労

半年前に子どもが生まれ、夫婦で子育てに追われる日々です。普段から仕事はハードですが、できる限り育児も分担しながらがんばってきたものの、ここ1カ月は疲労感がとれず、気分の落ち込みや体調不良が続くようになってしまいました。男性にも産後うつはあるのでしょうか? 最近は妻も心配しているようです。仕事の効率も下がっており、どうしたらよいでしょうか?

男性/30代

2024/04/16

Answer

子どもの誕生は大変喜ばしいことですが、一方で責任やプレッシャーも大きく、これまでの生活のリズムやスタイルが一変する出来事でもありますよね。 ご相談者も奥様とともに、半年間新しい環境の中で必死に努力をされてきたのだと思います。ただ、現在は奥様も心配するほどの不調が続いているとのこと。ご自身と家族のために、いったん今の生活を見直してみる必要があるかもしれません。


一般的に、出産後に育児のストレスなどからメンタルヘルスの不調を起こした場合「産後うつ」と呼ばれることがあります。これはおもに女性に起こると考えられてきましたが、近年男性にもみられることが知られてきました。

原因としては、女性と同じように、育児が思うようにいかない不安や疲労感、仕事との両立の難しさ、サポート体制の薄さなどがありますが、男性特有のものとして「男はこうあるべき」という古い固定観念が影響しているともいわれています。

例えば「子どもを育てるために男はより仕事を頑張って大黒柱にならないといけない」と感じたり、周囲からいわれるなどする一方で、育児もきちんとしなければと思うと、気持ちとしても追い込まれてしまいますよね。ご相談者も、父親として仕事も育児も完璧にしなければ、と頑張りすぎてしまったところはなかったでしょうか。


もしそうであれば、仕事も含めたご自身の今の状況や気持ちについて奥様と話し合う時間を持っていただきたいと思います。お互いに無理をしすぎていないか、負担に感じていることはないかなど、率直に伝えあってみてはいかがでしょうか。その上で夫婦2人で対応できることと、誰かに頼ってもよいことを整理できるとよいと思います。


家族のために頑張るあまりに、ご相談者自身が体調を崩してしまっては本末転倒になってしまいます。何よりもご自身が健康でいることが、奥様やお子さんにとっても大切ですよね。夫婦だけで抱えずに、可能であれば親族や外部のサポートを頼ることを検討してみるのもよいと思います。まだ男性への支援体制は少ないですが、自治体にいる保健師などに相談すると、育児へのアドバイスや、地域情報の案内などもしていただけると思います。


少し意識して休息をとるようにしても不調が続き、快方に向かう傾向にない場合には、心療内科などの受診もおすすめします。 一方で、仕事にも影響が出ているご様子なので、職場においても上司や産業医などへの相談も検討してみてください。

日本は諸外国に比べて父親の育児時間が非常に少ないことが指摘されています。これは男性の意識の問題とともに、勤務時間や労働の負荷を減らしにくいという環境の問題も大きいと思われます。この点については、社会や企業が男性の育児について、よりいっそう理解を深め、サポートしていくことが求められているところです。

周囲の力も借りながら、ご相談者が健康的に育児と仕事を続けていけることを願っています。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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