卵巣嚢腫の手術の必要性
母親が突然腹痛を訴え、受診したところ、卵巣嚢腫と診断されました。1カ月後に手術を受けることになったのですが、病巣でない側の卵巣も摘出するとのことで驚いています。現在、症状はなく、体調も悪くないようですが、本当に手術する必要はあるのでしょうか?
女性/50代
2024/03/09
卵巣嚢腫は通常、嚢腫が小さいうちは自覚症状がほとんどありません。大きくなると下腹部がふくらんできたり、腫れて大きくなった卵巣が周囲の臓器を圧迫して、便秘や頻尿などの症状や軽い下腹部痛が現れます。大きくなった卵巣が根元からねじれる「茎捻転」を起こすと、突然下腹部に激痛が起こります。救急搬送が必要になり、手術となる場合が多いです。
治療は、手術が第一選択となります。嚢腫の大きさが5cm以上で増大傾向を示すもの、悪性(卵巣がん)を否定できないものなどが手術の対象となります。手術法は年齢や、腫瘍の大きさ、癒着の程度などによって選択されます。良性の場合には、からだの負担の少ない腹腔鏡下(内視鏡)手術が適応されるケースが増えています。
病巣でない側の卵巣の摘出は、病状によっては必要になることもあります。また、患者さんが閉経している場合には、卵巣がんのリスクを減らすことを目的に、摘出をすすめられることもあります。お母様は現在、症状がないとのことですが、一度は救急受診が必要なくらい強い腹痛がみられたということなので、一般的には手術が必要な状況と考えられたのだと思います。
かかりつけ医に治療の説明の機会をとっていただき、なぜ手術が必要なのか、手術の目的、病巣とは逆側の卵巣摘出の必要性、手術法(腹腔鏡下手術は可能か)、術後の経過の見通しなどを、詳しく確認するとよいでしょう。説明を受けることでご本人も安心して治療に臨むことができると思います。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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