Question

豊胸手術後の乳がん検診

10年くらい前に豊胸手術を受けました(コヒーシブシリコン使用)。母が乳がんにかかったことがあり、心配なので乳がん検診を受けたいのですが、マンモグラフィ検査は受けられないと言われました。どうしたらよいでしょうか? また胸のシリコンはこの先も入れたままで大丈夫でしょうか?

女性/40代

2024/03/02

Answer

豊胸術は、シリコンを挿入する方法が主流で、からだに無害なものが使用されています。ただし、からだにとって異物であることに変わりはなく、安全性は確立されているとはいえ、トラブルがゼロではありません。現在、医療現場で使われるコヒーシブシリコンは、シリコン膜でできたバッグにシリコンをジェル状にして内包したもので、たとえ袋が破れても外に流れ出にくい構造をしています。リスクとして、シリコンバッグの拘縮や、皮下脂肪がなくなってきたときに、波状に透けて見えることがあります。拘縮がひどくなると再手術が必要となることもあります。


一般的に、シリコンの挿入によって乳がんのリスクを高めることはないとされています。ご相談者は現在、とくに痛みや腫れなど炎症を伴うような症状などはないようなので、様子をみられてよいと思われます。今後、何か変化がみられるなどで疑問をもったり、不安を感じるようなことがあれば、豊胸手術を受けた医療機関を受診して相談されるのがよいでしょう。


がん検診に関しては、シリコンを挿入している場合、マンモグラフィ検査は受けられません。検査時に乳房を強く圧迫するため、シリコンバッグの破損のリスクがあるからです。しかし、超音波(エコー)検査は受けることができます。また、新しい乳がんの検査法として、MRI検査があります。豊胸手術をしていても受けられますが、自費診療となります。


乳がんは女性のなかで患者数の多いがんです。ご相談者は家族歴(家族・親族に乳がんにかかった人がいる)があるということで、家族歴がない人に比べて、リスクは高くなります。そのほか、飲酒、肥満、初潮が早い、閉経が遅い、良性の乳腺の病気にかかったことがある、などが乳がんのリスク要因と考えられています。一度、乳腺を専門にみる医療機関(乳腺外科、ブレストクリニックなど)を受診して、相談することをおすすめします。また、豊胸手術を受けた医療機関でも相談にのってもらえると思います。自分で行う自己検診も有効なので、方法を指導してもらうとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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