手足に原因不明のかゆみ

1カ月程前から手足にかゆみが出て、我慢できないほどではないものの不快な症状を感じておられるようですね。

足白癬（水虫）の症状なのかとのことですが、一般的に、白癬菌（水虫の菌）が皮膚の角質まで入るのに24時間以上かかります。白癬菌が手足などについた場合でも石けんでよく洗い、乾燥させておけば、すぐに水虫になることはありません。水虫の症状は、小さな水ぶくれができ、それが破れて皮がむけるタイプ、足の指の間がふやけて皮がむけるタイプなどがあります。手は日中に洗うことが多いため、水虫ができることはほとんどなく、また、足に水虫があってもかゆくなるケースは1割程度といわれます。したがって、足の指の間や足裏にかゆみがない、皮膚がふやけて白くなったり、むけたり、水疱がないなどの症状から、水虫の可能性は低いでしょう。

かゆみの症状は、圧迫や通気性の悪さ、乾燥、寒冷刺激、入浴・運動・寝室の環境などで体温が上がることが原因になることもあります。使用中の石けん・洗剤類、植物など、接触するものの影響や特定の食べ物、内服薬がある場合にかゆみが出ることも考えられます。その場合、手足のみでなくからだ全体に症状が出ることが多く、症状は数分で治まらずにもう少し長く続くことが多いでしょう。

対処法は、原因がわかれば、それを回避することを中心に、かゆみを抑える塗り薬や、飲み薬の使用のほか、アルコールや香辛料など、かゆみを助長させるものを控える、規則正しい食生活を心がけるようにします。また、かゆみ症状のある部位は冷やすと効果的です。タオルは木綿素材がよく、今まで通り擦らずにそっと押さえるようにして水分を拭きましょう。気になる症状が続くようなら、早めに皮膚科で診断していただくことをおすすめします。