急性心膜炎の治療後に不整脈や息苦しさ
急性心膜炎にかかり、入院治療を受けました。医師には完治したといわれましたが、退院後に不整脈が現れたり、呼吸が苦しく息切れなどがするようになりました。心臓の病気の治療後には、このような症状がみられるものでしょうか?
男性/60代
2024/01/12
心臓は、心膜(しんまく)と呼ばれる二重の膜に包まれています。心膜はテニスボールを押し潰したような形の心嚢(しんのう)という袋を作り、心臓のほぼ全体を密に包み込んでいます。この心嚢の中には少量のリンパ液が存在し、リンパ組織と心臓運動の摩擦を軽減する働きがありますが、感染症などの何らかの原因によって心膜に炎症が起きた状態を「急性心膜炎」といいます。
急性心膜炎の原因は特定できないことが多く、早期診断が難しい病気でもあります。
一方、原因がはっきりとしている場合にはコクサッキーなどウイルス感染によるものが大半を占め、細菌感染、膠原病などに伴い罹患するケースもみられます。
心膜の炎症が治る過程においては線維化、瘢痕(はんこん)、肥厚(ひこう)、石灰化といった変化が生じることがあり、変化した心膜が心臓の拡張機能を妨げると心臓から血液を送り出すポンプ力に低下をきたすこともあります。
次に、心膜炎の治療後の経過について説明します。ウイルス感染による心膜炎の場合は、回復に1~3週間ほどかかるといわれています。ただし、炎症の範囲や程度、患者さんの状態によっても経過が異なるほか、心膜炎後に心臓の動きに対して影響がみられることもあるようです。
不整脈や呼吸に関する自覚症状がみられる場合には、早めの受診をおすすめします。受診の際には自覚症状があることを伝えたうえで、現在の病状や今後同様の症状が起きたときの対処方法(すぐに受診すべきかなど)、日常生活の注意点についても、できるだけ具体的に主治医に尋ねておくとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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