乳児期のむし歯を予防するには?
朝晩、1歳の子どもの歯を磨いています。夜はミルクを飲み終わると寝てしまうことが多く、磨くことができないこともたびたびです。自分がむし歯の治療で苦労したため、子どもをむし歯にしたくないのですが、よい予防方法はありますか?
女性/30代
2023/12/29
お子さんがミルクを飲み終わるタイミングで寝てしまうため、歯磨きに支障が出ているとのこと。乳幼児期の哺乳びんによる不適切な飲料の与え方、または卒乳時期を逃した授乳、とくに夜間の授乳は、特有のむし歯の症状を引き起こすことがあります。哺乳びんの不適切な使用や、夜間の授乳によるむし歯は、前歯を中心に、急速かつ広い範囲にみられるのが特徴です。
一般的に授乳のみでは、むし歯の発生に大きなリスクはありませんが、離乳食が始まり、むし歯の原因となる砂糖を含む食品や、果糖を含むフルーツジュースなどをとりはじめると、授乳によるむし歯のリスクが高まります。
卒乳の時期とむし歯の発生を調べた研究では、卒乳の時期が遅くなるにつれて、むし歯の発生が多いことがわかっています。卒乳が遅れているケースでは、甘味飲食物を与える回数が多いこと、授乳の時間が就寝前や夜中が多いことで、卒乳の遅れがむし歯のリスクを高める生活習慣をあわせ持っている可能性が指摘されています。昼間によく遊ばせ、疲れて母乳に頼らずに眠れるように、子どもの様子をみながら卒乳の準備をしていくとよいでしょう。
乳児期の歯磨きは親を介しての習慣づけの意味合いが強く、歯の汚れを徹底的に取り除くというより、食べ物や食べ方に気をつけて、むし歯の原因となる細菌を増やさないことが重要です。母乳を続けるうちは甘味飲食物を控え、むし歯のリスクを下げましょう。フッ化物の利用もよいでしょう。寝ているときは唾液の分泌量が減少するため、むし歯菌が繁殖しやすくなります。寝る前の歯磨きは必ず行うようにしましょう。理想は、早い時期に卒乳し、夜もしっかり歯磨きができるようになることです。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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