Question

高齢の親が転倒後、微熱が続く

高齢の親が家で転倒し、目の下を強打。時間が経つにつれ、目の周囲などが腫れ、内出血で青くなりました。心臓の持病があり、主治医によるMRI検査では異常はありませんでした。その後、顔の腫れなどは改善しましたが、1カ月経過しても夕方に微熱が出ます。主治医から、かぜ薬が処方されましたが、調べると打撲から発熱することもあるとのこと。再受診する場合は何科でしょうか?

男性/50代

2023/12/20

Answer

顔面の打撲後に1カ月ほど続く微熱の症状があり、ご心配とのこと。

微熱は熱の程度が軽度(37~38℃)で、ある程度の期間(10日から1カ月)続くか、ある一定期間中に一定以上の頻度で起こる場合をいいます。もともと平熱が低い人は、体温の日内変動が1℃を超え、発熱と脈が速くなる症状が一緒にみられたら微熱があるといえるでしょう。

体温は1日のうちでも朝方は低く、昼から夕方に高くなる日内変動や、夏は冬より高くなる季節変動があります。高齢の方は、成人に比べて環境によって体温が影響を受けやすく、熱がこもることが原因で体温が高くなりがちです。電気毛布などの熱しすぎ、暖房や衣服の重ね着の影響などがないかどうかも、まず注意してみましょう。


打撲による一般的な症状は腫れ、内出血、むくみです。皮下組織に炎症が起こっているときは局所的に熱をもつことがあります。転倒から1か月以上経過し、顔を含む頭部の打撲後の経過で注意すべきものには、慢性硬膜下血腫が挙げられます。これは頭部外傷後の通常1~2カ月後に頭蓋骨と脳の間にゆっくりと血液がたまり、血の塊が脳を圧迫して症状が現れます。症状は、頭痛・頭重感、気持ちが悪い・嘔吐、片麻痺、うまく話せなくなる(失語)、認知症のような記憶障害などです。

通常、高齢者では片麻痺や歩行障害、失語、記憶障害などが多いほか、何となく元気がない、何か様子が変といった漠然とした様子の変化を示すこともあります。もしこのような症状に当てはまる場合は、速やかに脳神経外科を受診する必要があります。ただし、慢性硬膜下血腫の一般的な症状には発熱が該当せず、また打撲と全身の発熱の関連性についての情報も見当たらないため、一般的には直接的な関係は考えにくいと思われます。


微熱の症状は内科の受診が通常なので、主治医に継続して微熱の経過をみていただくとよいでしょう。高齢の方は、一般に体温調節機能が低下しており、自覚症状が乏しいままに肺炎などにかかる場合もあるため、医師は注意して観察します。熱の高さだけでなく、衰弱の様子、受け応えの反応などの全身状態や、食事や睡眠など日常生活について聞き取り、そのほかに伴う症状の有無なども重要な情報となります。まずはご本人の様子をできるだけ具体的に伝えることをおすすめします。体温測定の記録などあれば、受診時にお持ちになるとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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