眼底検査で動脈硬化を指摘された
眼科で受けた眼底検査で、動脈硬化があるので高血圧の可能性があるといわれました。内科を受診したところ、血圧は正常な範囲内で、その後、家庭血圧を測り続けた値も心配するほどではないとのことでした。生活の中で動脈硬化を改善する方法はありますか?
女性/40代
2023/12/10
眼底検査では眼底の血管の様子で動脈硬化の程度などがわかるので、眼科医師は高血圧が考えられると判断したのではないかと思われます。動脈硬化とは、動脈の壁が厚く、硬くなった状態を指します。進行すると、血管の内径が狭くなって血流が滞ったり、血管壁が破れたりして、動脈の流域の臓器に大きな影響を及ぼします。動脈硬化は危険因子を避け、予防に努めることで、進行を緩やかにすることが可能といわれています。
動脈硬化の危険因子には「男性および閉経後の女性」「加齢」などの自力では管理できないものと「高血圧」「脂質異常」「喫煙」「肥満」「糖尿病」「ストレス」など、自分の意志でコントロールできるもがあります。危険因子を多くもつ人ほど、動脈硬化が急速に進むことが明らかになっており、高血圧、脂質異常、喫煙は3大危険因子といわれます。特にLDL(悪玉)コレステロールが高い、HDL(善玉)コレステロールが低い状態は要注意です。
また、女性の場合は女性ホルモンの作用により、動脈硬化の進行が抑えられていますが、閉経とともに男性並みに進むといわれています。このようなことから、予防的な対処をとることは、大変賢明なことだと思います。動脈硬化の対策および高血圧予防のための留意点を以下にお伝えします。
●油脂の質に配慮する……動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロール、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取はLDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らします。飽和脂肪酸やコレステロールの過剰摂取を控えるには、脂身の少ない肉類を選び、肉類、乳製品、卵をとりすぎないようにし、トランス脂肪酸の多い菓子類や加工品は控えます。魚類に多く含まれる不飽和脂肪酸は血栓を溶かす作用があります。意識してとるように心がけましょう。
●抗酸化食品を積極的にとる……LDLコレステロールが酸化されると、血管壁に沈着しやすくなり、動脈硬化が進みます。抗酸化作用の強い、βカロテンやビタミンE 、ビタミンCが多く含まれる野菜や果物を積極的にとることをおすすめします。野菜は、緑黄色野菜、淡色野菜などを取り入れ、果物は旬のもの選ぶようにするとよいでしょう。
●食塩のとりすぎに気をつける……食塩の過剰摂取は血圧上昇を招き、動脈硬化を促進します。減塩を心がけましょう。
●運動を続けて標準体重を維持する……運動は体脂肪を燃焼させ、肥満や中性脂肪値の改善に効果的で、HDLコレステロールを増加させます。ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。階段を使う、5分・10分でも多く歩く、拭き掃除をするなど生活の中で活動量を増やす工夫をするとよいでしょう。何よりも続けることが肝要です。なお治療中の場合は、運動を始める前にどの程度の運動(運動の強さ、時間、頻度など)が適切か、主治医にご相談ください。
血圧管理については、血圧の自己測定が大切です。家庭血圧の測定をぜひ続けてください。家庭で測る血圧は、135/85㎜Hg以上が高血圧とされているので、一般的な目安となるでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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