むし歯の可能性は低いが痛む。削る必要性は?
冷たいものを食べたり飲んだりすると、右の奥歯にしみて痛みます。歯科でX線検査を受けたところ、むし歯の可能性は低いが、痛みがあるようなら削ってみるしかないといわれました。むし歯かどうかわからないのに削ることはあるのでしょうか?
男性/30代
2023/09/30
むし歯の進行は、5段階(C0~C4)に分けられます。歯の表面のエナメル質のむし歯(C1まで)では、表面のざらつきや、黒い点が見えることがありますが、痛みは出ません。C2になると象牙質まで進行し、冷水を飲んだり、甘いものを食べたときなどに、しみる、痛みを感じる症状が出てきます。
C3は、歯の神経に達し、炎症が起きてきて、いつも痛みを感じるようになります。この段階では、できるだけ神経を抜かないようにしますが(神経をとると歯が弱くなるため破損の心配が生じてくる)、激しい痛みがある、神経に炎症がある(炎症を起こすと神経が死んでしまうことがある)、神経が見えるくらいの大きなむし歯がある場合には神経を抜く必要があるようです。
冷たいものがしみたり、何かをかんだ際に痛みがあったりする場合、その原因の多くはむし歯といわれます。象牙質に歯髄腔と呼ばれる空洞があり、内部に歯髄が入っています。歯髄には歯の神経と血管やリンパ管からなり、歯に栄養を運んだり痛みを伝えて病気を知らせる役割が備わっているためです。むし歯がC2のように象牙質にまで及ぶ状態まで進行していなくても、エナメル質に小さな穴や傷があると象牙質に刺激を伝えるので痛む、しみるといった症状を感じることもあるようです。
むし歯の診断はおもに視診(目で見ての判断)と、X線などの画像を用いて歯や骨の肉眼では見ることのできない深部まで観察し、むし歯の進行状況だけでなく歯周病の状態を把握することができます。
治療法はむし歯の進行度で変わってきます。早期のむし歯は削って修復します。浅い場合は削らずに様子をみることもあるようです。
歯科医がX線検査で診た範囲でのむし歯の可能性は低いとのこと。しかし、右の奥歯にしみる症状があるということは、X線でも把握の難しいむし歯があると考えられ、治療を踏まえての提案だったのではないかと思われますが、実際にどのようなことなのか、率直に尋ねてみてはいかがでしょうか。医師に疑問に感じることを伝え、納得して治療を受けられる信頼関係を築くことはとても大切です。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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