長引く顎関節症の治療は?
スポーツ時の接触で顎(がく)関節症になって約2年。歯科でマウスピースを作り、しばらく使用していましたが、治療効果が感じられずに中断しました。発症した頃から首すじのこりがひどくなり、生活にも差しさわりがあり困っています。
男性/20代
2023/06/06
顎関節症の治療は、一般的には保存的治療が数カ月間行われ、効果がない場合は外科的治療が検討されます。保存的治療は、開口訓練やマウスピースの夜間装着による機能回復が目指されます。
顎関節症にもいくつかのタイプがあり、そのうちの1つの咀しゃく筋痛障害では、マウスピースの装着、薬の治療(鎮痛消炎剤、筋弛緩薬)、低周波治療、マッサージなどを組み合わせて症状緩和を図る治療が行われます。
一方、別のタイプの顎関節円板障害と変形性顎関節症では、手術が適応になる場合があります。関節円板障害とは、関節円板の位置がずれている状態で、カクカクといった開閉口時の音が出たり、開口障害が起きるものをいいます。また、変形性顎関節症は、顎関節への強い負担が繰り返し長時間持続するために、関節をつくっている骨の表面が吸収されたり、周囲に新たな骨がつくられたりするもので、関節痛と開口障害が起こります。これらのタイプの顎関節症では、保存的治療が無効な場合は、ステロイド注射や外科的治療が検討されます。
顎関節症専門の医師として、日本顎関節学会が認定する顎関節症専門医や指導医が診察を行っている医療機関があります。同学会のサイトで全国の医療機関を検索できるので、受診をご検討ください。
首すじのこりも顎関節症になった時期からひどくなってきたとのことで、関連した症状の場合が考えられます。受診の際、この症状についても相談し、顎関節症との関連性や、整形外科の受診が必要かの助言を受けるとよいでしょう。
受診の際には「いつから」「どのように」「現在の症状の程度や頻度、状況」「症状を軽くまたは悪くするような因子はあるか」「これまでの治療の経過」などを医師に伝えるとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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