Question

膀胱瘤の手術以外の治療法は?

70代の母が婦人科を受診したところ、膀胱瘤と診断され、完治させるには手術しかないといわれました。高齢のため手術以外によい治療法はないか迷っているものの、排尿などに支障をきたすようになっています。婦人科だけでなく、泌尿器科にも相談したほうがよいでしょうか?

女性/40代

2023/05/24

Answer

高齢のお母様が膀胱瘤と診断され、完治には手術が必要といわれて迷っているとのこと。手術以外の選択肢はないかなどについて回答します。


膀胱瘤は、骨盤臓器脱のなかの1つの状態を指しています。骨盤内の臓器(子宮、直腸、膀胱など)は、骨盤底と呼ばれる筋肉群や靱帯などで支えられていますが、女性の場合、出産時や加齢の影響で支えが緩んで、臓器が本来の位置から下がり、腟口からはみ出してしまうことがあります。このように膀胱が下がっていることを膀胱瘤といいます。骨盤臓器脱を根本的に治すには、手術が必要です。残念ですが、薬剤などでの治癒が望めない症状です。


症状が比較的軽い場合(腟口から下がっている部分が1~2cm程度で、押し戻して戻る状態)であれば、骨盤底筋トレーニングや生活の工夫といった保存療法で改善を期待できる場合もありますが、下がっている部分が3cmを超えている場合や、排尿、排便に問題を抱えるなどの症状で日常生活の質が低下している場合は、手術を検討する目安となります。


お母様は、婦人科の医師から、完治するには手術しかないと説明されたようですが、骨盤臓器脱の手術は何種類かあります。からだへの負担が軽く、高齢者でも行われる手術として、腟閉鎖術が選択されることが多いです。

●腟内子宮全摘術+前腟式形成術……子宮を全摘し、緩んだ膀胱と腟の間の筋膜や直腸と腟を支える筋肉を補強する前腟式形成術を組み合わせた手術

●マンチェスター手術……子宮を支える靱帯の補強を行う手術

●メッシュ手術(TVM術) ……緩んだ筋膜や靱帯の代わりに人工素材を使って子宮を自然な位置に矯正し、その状態で支える手術

●腟閉鎖術……腟部分を部分的に閉鎖する部分腟閉鎖術と、腟壁を全摘して縫合する全腟閉鎖術


なお、骨盤臓器脱の受診先は、産婦人科、婦人科、泌尿器科も対応しています。もし診断された医療機関での手術治療が可能でない場合は、今起きているからだの困りごととともに、改めて婦人科の医師と相談することで、根本治療のできる医療機関を紹介してもらうこともできると思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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