Question

眼窩底骨折の診断。手術は必要?

数日前に顔面を強打して救急外来を受診し、眼窩底(がんかてい)骨折と診断されました。複視(ふくし)はなく、視力も正常ですが、患側に多少のしびれがあります。手術をしないとしびれが残ったり、将来的に眼球が奥に落ち込んだような状態になる可能性もあると医師にいわれました。ただ、手術で完全に回復するかはわからないとのこと。自然治癒か、手術を受けるべきか悩ましいです。

男性/40代

2023/05/11

Answer

眼窩底は、眼球と上顎洞(じょうがくどう)の間にある骨です。程度にもよりますが、眼球に圧がかかると眼窩底にも圧がかかって、眼球の破損が免れる構造になっています。


眼窩底骨折の際には、眼科医の診察を受けたうえで、複視の有無を確認することが重要なポイントです。検査では最大限まっすぐに上を向いた状態で、1つの物が二重に見えていないかを調べます。これにより、骨折の程度や症状がわかり、その後の経過も推測できます。骨折した骨がずれて三叉神経に触れると、痛みやしびれの症状が現れます。三叉神経そのものが切れることはないものの、どの程度、神経に触れているかで症状の程度が変わります。

また、骨折した部位に筋肉が挟まると眼球の動きにも異常が現れます。こちらも骨折の程度によって症状の出方が異なります。強打した際に鼻血が出ると、出血による圧迫によって筋肉の動きが制限されるケースもあります。

いずれにせよ、通常はX線検査で骨折の程度を確認し、手術の必要性が検討されます。手術の方法はいくつかありますが、骨折(病状)の程度によってその選択も異なります。もしも一時的なしびれの症状であれば、半年程度で消える可能性もありますが、それも経過をみていくしかありません。また、眼球が奥に落ち込んだ状態を眼球陥入といいますが、外見上は顔がやせたような印象になり、日本人より外国人のほうが気にする傾向があるようです。


手術をする場合は、骨折した骨が固まるまでの約2週間が目安です。医師や医療機関によって「形成外科」または「眼科」の治療領域となるので、医師とよくご相談ください。また、受診の際は治療や手術についての不明点をよく確認し、選択肢がある場合にはそれぞれの利点と欠点を比較してみると検討・整理しやすいと思います。


なお、眼窩骨折がある場合、鼻をかむのは避けたほうがようでしょう。息を吐き出す際に空気が目の周りの皮下組織に集まって、腫れを助長させてしまう恐れがあるためです。また、ほかの部位の骨折と同様に、患部を心臓より高い位置に保つことで痛みや腫れの軽減を期待できます。就寝時には枕を使用するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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