Question

思春期の子どもの斜視は治療できない?

18歳の娘は生まれつき斜視があります。本人は本が読みにくいことや、見た目が気になることを口にします。数カ月前に花粉症で眼科を受診した際、医師に9歳以降の斜視の治療は難しく、手術をしても元に戻る可能性が高いといわれました。本当に治療はできないのでしょうか?

女性/50代

2023/04/28

Answer

斜視は、物を見ようとするときに、片目は正面を向いていても、もう片目が違う方向を向いてしまう状態です。片目だけ内側を向くもの(内斜視)、外側を向くもの(外斜視)、上や下を向くもの(上下斜視)など病態はさまざまです。また、常時斜視(常に斜視になっている)と間欠性斜視(時々斜視になる)があり、先天的なものもあれば、後天的な斜視もあります。先天的な斜視の原因として、目を動かす筋肉や神経の異常、遠視、視力不良、目の神経系の病気、遺伝などが挙げられます。


斜視の治療は子どものうちでないとできないかについては、斜視と関係の深い「弱視」を伴う場合は、子どものうちでないと治療は難しいようです。弱視とは、視力の成長期に何らかの原因で正常な視力の発達が障害されて低視力となり、眼鏡をかけてもよく見えない状態を指します。視力の成長に対する治療は、10歳頃を過ぎると効果が小さくなるため、斜視に弱視を伴うようなら、早期に治療を開始することが望ましいとされています。

もしかしたら数カ月前の眼科医の説明には、この弱視のことが含まれていたのかもしれません。


一度、斜視・弱視を専門にする眼科を受診し、斜視の状態、原因、視力との関連などを精査してもらって、手術の適応など、適切な治療法について相談されることをおすすめします。日本弱視斜視学会では、サイトに全国の弱視・斜視を専門とする医師の一覧を挙げています。よろしければ、参考にされてください。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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