高齢の親の肺がん手術から5年。再発リスクと今後の過ごし方は?
離れて暮らす80代の母が初期の肺がん手術を受けてから5年が経ちます。今のところは無事に過ごせていますが、術後5年以降も再発や転移の可能性は残っているのでしょうか? 高齢で体力の低下がみられるものの、本人は毎日田んぼ仕事に精を出し重労働もこなしています。からだのことを考えると引退してほしいものの、やめると身体的・精神的に衰えが加速してしまうのではと悩ましいところです。
女性/50代
2023/01/15
人のからだでは、細胞の増殖や増殖停止、成熟して役割を果たす、脱落するといった仕組みは細胞内の遺伝子によって調節されていますが、異常な細胞が増え続け脱落しなくなる状態がいわゆる「がん」です。細胞が勝手に増殖して周囲にしみ出るように広がり、からだのあちこちに飛び火(転移)することで症状を引き起こします。
統計上、肺がんはほかのがんに比べて5年生存率が低く、一般的に治療が難しいとされています。ならば、治療後5年以上を経ていれば安心ではと考えがちですが、がんの状態は一人ひとり異なるため、何年経過すればよいとは一概にはいえません。現状や今後の再発リスクは主治医であれば回答できると考えられるため、受診時に確認することをおすすめします。また、新たながんの発生は予測できません。主治医の指導のもとで定期的に経過をみていくことが最善だと思われます。
次に今後の健康管理についてですが、毎日欠かさずからだを動かすことが機能の維持には大切です。特に病気やけがでしばらく安静にしていると身体機能が低下し、全身にさまざまな症状を起こすようになります。からだを動かさず活動量が低下することで起こる症状は「廃用症候群」とも呼ばれ、手足の不自由、心肺機能の低下、立ちくらみ、骨粗鬆症といった全身のさまざまな部位に悪影響を及ぼします。また、時には精神面に影響することもあり、その症状や程度は個々によって異なります。
廃用症候群のような寝たきりの状態を防ぐためにも、毎日の生活の活動や運動などを通じて刺激を与え続けることが大切です。高齢であっても定期的な運動を行うことで運動機能は向上します。お母様の場合も、田んぼ仕事によってからだと脳を使い、刺激を受けているため元気で過ごされているように思います。加齢によって多少は心身の機能低下がみられても、適度な刺激がないと機能の低下を招く可能性も考えられます。お母様が前向きに作業を行っているのであれば、作業量の調整など工夫をしながら見守っていくのがよいのかもしれません。
なお、お母様の健康や生活面に関するお悩みはかかりつけの主治医のほか、高齢者の相談窓口である地域包括支援センターへ相談するのもよいでしょう。各自治体に問い合わせると、住所地を管轄する地域包括支援センターについて案内してもらえます。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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