Question

五十肩の痛みに消炎鎮痛剤の使用は適切?

五十肩で整形外科に通院していますが、症状が改善しません。むしろ治療でヒアルロン酸の接種を3回ほど受けた後から悪化し、深夜痛みで目が覚めるなど生活に支障をきたしています。X線検査で骨に異常はなく、肩の腱の炎症によるものではといわれています。以前、五十肩を発症した際は、半年程度で自然治癒しました。痛みの原因である炎症を抑えるべく消炎鎮痛剤の接種を受けたいのですが適切でしょうか?

女性/40代

2022/08/28

Answer

現在、五十肩(肩関節周囲炎)でお悩みとのこと。整形外科ではX線検査などを受け、肩の腱の炎症ではとの診断を受けたとのこと。ただ、夜中の痛みで目が覚めるといった様子で、生活面にも支障をきたしているのですね。今回の長引く症状については、はたからではわかない苦労もあるのではとお察しします。


五十肩は、男女とも50歳前後に起こりやすい肩の痛みで、動きも悪くなることが普通です。痛みは、肩から腕にかけて感じることが多く、腕を上げようとするときに痛みます。

肩関節周囲炎がなぜ起こるのか、原因は不明ですが、加齢に伴う症状で、初めの変化は肩関節を取り巻く腱の炎症であろうと考えられています。40・50年間、肩関節を使っていると、関節を取り巻く腱の組織に加齢に伴う変化が起り、表面の滑らかさが失われます。ここに何かのきっかけ(おそらく使いすぎなど)があると、腱の炎症が起こると考えられています。


肩関節周囲炎の初期は、夜、寝返りのときなどにギクッと痛み、目覚めることもあります。強い痛みのときは炎症が起きている時期で、炎症が治まるにつれ、痛みは軽快します。腱とその周囲が炎症の名残りで癒着を起こし、滑りが悪くなるので、関節の動きも悪くなります。

癒着が軽快し、正常な肩関節の動きに戻るまで、半年から1年ほどがかかるのが通常の経過です。五十肩の多くは、1年ほどで自然に軽快するものの、早く、苦痛は少なく経過することが望ましいので、治療やセルフケアを行うことがすすめられます。


肩関節周囲炎の一般的な治療は、痛みが強い急性期は、安静を保ち、消炎鎮痛剤の内服、注射などによる痛みの緩和を行います。急性期を過ぎると、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。


痛みの対処として、肩関節への消炎鎮痛剤の注射は、おもに整形外科医のもとで行うので、通院先の整形外科で治療の相談をするとよいでしょう。強い痛みが少し落ち着いたときは、主治医に家庭でできる体操を相談し、セルフケアをあわせて行うとよいと思います。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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