口腔と鼻腔内の吸引方法は？

最初に口腔の吸引を、引き続き鼻腔内の吸引を行います。

●口腔内吸引の方法

①石けんと流水で手洗い、または速乾性擦式手指消毒剤による手洗い

②手袋の着用

③吸引カテーテル、吸引器の準備

④吸引圧の確認（20キロパスカル以下）

⑤声かけ（たとえ意識のない患者さんでも必ず声をかける）

⑥口を十分に開けないときには、片手で唇を口を開く、バイトブロックを使用して行う。無理に開けようとすると、反射的に口を強く締めたり、カテーテルをかむこともあるので、リラックスさせて緊張が緩むのを待つ

⑦吸引する場所は、奥歯と頬の間、舌の上下と周囲、前歯と唇の間。咽頭後壁は嘔吐反射が誘発されるので強く行わないように注意する

⑧カテーテルの外側をティッシュかアルコール綿でふき取り、内腔は水で洗い流す

●鼻腔内吸引の方法

①声かけ（今度は鼻の吸引を行うことを伝える）

②少しあごを挙げ気味にすると安全に挿入しやすい

③カテーテルを折り曲げ、圧がかからない状態で鼻の中に挿入する（鼻の構造を理解しイメージしながら行う）

④ カテーテルが入りづらい場合は、反対側から行う（鼻の奥はつながっているのでどちらからでもよい）

⑤うまく挿入できるとカテーテルは８～10㎝入る。吸引が終わったら、左右にカテーテルを回しながらゆっくり引き抜く

⑥カテーテルの外側をティッシュかアルコール綿でふき取り、内腔は水で洗い流す

●吸引時の注意

①吸引前には患者さんの状態、口腔内、鼻腔内の観察をする

②吸引は手早く、確実に行う

③吸引後は顔色や呼吸状態、吸引した分泌物の量や性状を観察する

④環境の整備を行い、器具は衛生的に扱う