Question

関節リウマチの悪化が不安……

長年関節リウマチを患っていて症状が少し進行しています。薬による治療を続けていますが、今後悪化するのではと不安です。どうすればよくなるでしょうか?

女性/40代

2022/07/06

Answer

関節リウマチは、関節が腫れることで関節周辺の骨がもろくなり、関節軟骨に支障をきたす病気です。原因は不明ですが、本来自分の身を守るはずの免疫機能が自分の組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」といわれています。

症状は、手指の爪から数えて2番目と3番目の関節と手首の関節、足の指に症状が出やすいです。骨や軟骨の破壊、関節の変形が進み、ほかの大きな関節にも影響してくることが多いです。しかし現在は、早期から抗リウマチ薬などを開始し、積極的な治療を行うことで、骨の変形を防止することが可能になってきました。


関節リウマチの治療で目標とする治療は、いかに寛解の状態に導き、維持するかという点です。寛解とは、完治しないまでも、病気の状態が安定した状態をいいます。医学的な寛解には、以下の3つの捉え方があります。

●臨床的寛解:関節の痛みや腫れが消え、血液検査で炎症反応が正常化する

●構造的寛解:骨や関節の破壊、変形が進まない

●機能的寛解:入浴、外出、着替え、車の乗降などの日常生活が問題なくできる


関節リウマチの治療を開始して効果が現れるまでには、通常1~3カ月ほどを要します。少なくとも、数カ月ごとに主治医の診察を受け、病状や治療の効果について評価してもらいましょう。

関節リウマチの治療で使用する薬は抗炎症鎮痛薬、副腎皮質ステロイド薬、抗リウマチ薬の3つに大別されます。痛みを抑えるには鎮痛薬とステロイド薬を使い、リウマチの炎症を抑制するために抗リウマチ薬を使用します。


いずれの薬も効果の出方や副作用の現れ方は、人によって異なります。患者さんの状態に合わせて、薬の投与方法や回数、併用する薬なども変わっていきます。治療薬の選択にあたっては、自分に適したものを主治医に選んでもらうことが大切です。そのためには、診察時に自覚症状や治療上で困っていること、感じられる薬の効果や副作用といった治療に関することや生活面の状況などを主治医に常に伝えておくことが大切です。


関節リウマチは、関節だけでなく全身の病気でもあります。整形外科や内科などでの診療のほか、最近では専門科も新しく設けられ、一部の大学や病院ではリウマチ科やリウマチセンターなど、リウマチの患者さんを専門に扱う窓口も開かれるようになりました。また近年の積極的な治療によって、寛解状態を長く維持できるようにもなっています。療養管理は担当の先生とよく相談のうえ、現状に即した治療を進めていくことが非常に大切です。


もし、症状が少し進行していると感じている場合は、その症状が治療によって治まるのかなど、まずは主治医に伝えておきましょう。また、今後の治療についてもあわせて相談しておくとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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