大人になってかかる水ぼうそうはなぜ大変?
20代後半の姉は水ぼうそうにかかったことがありません。大人になってからかかる水ぼうそうは大変と聞きます。どのように大変なのか、本人も気になっているようです。
女性/20代
2022/07/03
ぼうそう(水痘:すいとう)は、冬から春にかけてはやる感染症です。帯状疱疹ウイルスによる感染で、感染力の強い病気の1つです。一般的に健康な子どもは、軽い症状で済みますが、なかには重症化することもあります。大人になってかかると、子どもに比べて、症状が重くなりやすいことが報告されています。
水痘は、発しん、発熱がおもな症状で、発しんは、丘しん、水疱、膿疱(のうほう)、痂皮(かひ:かさぶた)と変化します。発熱は、38℃前後が2~3日続くことが多いですが、40℃を超えることもあります。まれに合併症を起こすことがあり、肺・気管支・心臓・脳の炎症のほか、皮膚の感染症、血小板の問題が出ることもあります。
妊娠20週までに水痘にかかると、先天性水痘症候群(低出生体重、四肢低形成、筋の部分的な萎縮、脳の炎症など)を起こすことがあり、出産の数日前に水痘にかかると子どもにも発症し、その場合、母子ともに重症化する危険があります。妊娠中にり患すると、症状が重くなりやすいため、り患歴がなく、妊娠の可能性のある方や妊娠を望んでいる方は、あらかじめワクチン接種などによる対策が必要です。
さらに、免疫機能が低い人、気管支ぜんそく・腎臓の病気・血液の病気などで治療中の人も重症化の心配があるため、主治医に相談することが大切です。
予防法は、水痘ワクチンの接種です。国が行う予防接種ではないため、被接種者の希望があれば行える任意の予防接種となります。接種対象は、年齢1歳以上で水痘にかかったことのない人です。妊娠可能年齢の成人女性の場合、接種前およそ1カ月、接種後およそ2カ月の避妊が必要です。水痘ワクチンの接種により、およそ9割程度は抗体が確認されるといわれていますが、1回の接種者のうち、2割近くは、水痘にかかると報告されています。ただし、ワクチンを接種していれば、仮にかかっても、症状は軽く済むことがほとんどです。
また、完全にかからないようにするためには、1回目の接種後、4週間以上の間隔をあければ、2回目接種を受けることが可能です。
お姉さんが水ぼうそう(水痘)にり患歴がない場合、内科医に相談し、予防接種を検討してはいかがでしょうか。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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