手根管症候群の対処法は?
手根管症候群と診断を受けました。日常生活での注意点などを教えてください。
女性/40代
2022/06/28
手のひらには正中(せいちゅう)神経という神経があり、複数の腱と一緒に「手根管(しゅこんかん)」というトンネルのようなものの中を通っています。手根管症候群では、この腱を覆っている滑膜が何らかの原因で炎症を起こし、むくむことで手根管内の圧力が高まり、正中神経に刺激を与え、正中神経が司っている人差し指や中指にしびれや痛みが出てきます。また、症状が進むと、親指から薬指にかけての親指側にしびれが出てくるのが特徴です。
原因はわからないことが多いものの、妊娠や出産期、更年期などの女性に多いことから、女性ホルモンの乱れによるむくみが関係していると考えられています。そのほか、手首の骨折、仕事・スポーツ・家事などによる手の酷使、関節リウマチや透析治療を受けている人にも生じやすい疾患です。
手根管症候群のおもな治療法は、保存的治療、薬物療法、手術療法となります。保存的治療で重要なのは、日常生活の工夫により手関節の安静を心がけるようにすることで、手首を固定する装具を用いる場合もあります(シーネ固定)。
また、効果が得られるまでに数カ月と、少し時間がかかることがあるため、医師と相談しながら経過をみていくことが大切です。装具はサポータータイプのものや本格的な装具などさまざまで、症状に応じて選んでいきます。
薬物療法では、症状が軽い場合は、消炎鎮痛薬の内服薬や湿布、神経を修復し保護する作用をもつビタミンB12が使われるケースが多くなっています。症状が重い場合は、炎症を抑える作用のあるステロイド注射をすることもあります。
これらの治療をしても十分な効果がない場合や、親指の付け根の筋肉がやせてくる、しびれの症状が悪化して手の感覚がなくなってくる、などの症状が出てきた場合には、手術が検討されます。
原因が炎症であれば冷やしたほうがよく、むくみが原因であれば血液循環を促すために温めたほうが効果的です。また、手を酷使する仕事や家事など、負担のかかる動作を避けることも大切です。いずれにせよ、正しい治療や対処方法を整形外科の専門医に相談し、自身に合った治療と対処方法を行うことをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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