盲腸の手術後に気をつけること。飲酒はいつから可能?
2週間ほど前に盲腸の手術をして、現在自宅療養中です。飲酒はいつごろから大丈夫でしょうか。また、手術後に気をつけたほうがよいことがあれば教えてください。
男性/20代
2022/06/09
一般に、盲腸といわれるものは、虫垂炎を指します。虫垂とは右下腹部にある盲腸(大腸の始まりの部分)の先に付着している長さ約10cmの突起で、ここに炎症が起きている状態が虫垂炎です。自覚症状として、右下腹部の虫垂の部分が痛くなるのが特徴です。右下腹部痛が次第に強くなりながら持続し、体を動かせないほど耐えがたい痛みになり、吐き気、嘔吐も強くなります。
よくみられる病気ですが、診断や治療が遅れると、虫垂が破れ、腹膜炎を起こして重症化するので、適切な治療を受ける必要があります。一般に、虫垂炎は乳幼児や高齢者には少なく、青少年期に多くみられます。
原因は不明で、虫垂への細菌感染が関係すると考えられています。暴飲暴食や過労、かぜ、便秘などがきっかけとなることが多いようです。
虫垂炎の治療は、虫垂の切除が原則です。手術は開腹手術のほか、状態に応じ、腹腔鏡手術が行われる場合もあります。手術後の経過は、虫垂炎の程度や手術の方法などによって異なるものの、炎症が軽度で経過がよければ、4~5日前後で退院可能なことが多いです。虫垂炎は、治療の時点で腹部に細菌がいるため、手術の傷が化膿することがあります。退院から1~2週間後に通院し、傷の回復やその後の症状など経過をみて、とくに問題がなければ治療終了となります。
食事については、手術翌日から水分のみ摂取し、ガスが出れば食事を開始します。食事は流動食、おかゆとなり、回復が順調であれば、手術から2~3日後以降は普通食となるのが一般的です。飲酒の開始については、嗜好品のため、普通食に戻ってからになるでしょう。具体的には状態をみて医師が判断するため、主治医に相談してください。
食事以外の特別な日常生活の注意はありませんが、自宅療養中はまだ回復期であるため、不要な外出を控えるなど、療養に専念することをおすすめします。退院後の通院時に、いつも通りの生活に戻ってよい時期、運動を再開してよい時期、そのほかとくに注意する点、再受診が必要な症状や受診の目安などを主治医に確認しておくとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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