白内障が再発する可能性は?
1年前に白内障の手術を受けました。最近、左目に白い膜が張ったような見え方をしますが、白内障の再発でしょうか?
男性/60代
2022/06/08
白内障とは、カメラのレンズに相当する目の水晶体がにごって、かすんで見えるようになった状態を指します。水晶体は、水晶体嚢(のう)という透明な薄い膜に包まれています。白内障手術では、水晶体嚢の前面を円形に切開し、嚢の中身を超音波で破砕・吸引して、残った嚢の中に眼内レンズを挿入します。
白内障の手術後、白内障以外の病気がなければ、ほとんどの場合、見え方は改善します。ただし、まれに手術後しばらくすると、再度見えにくくなる場合があります。その原因のひとつが「後発白内障」です。後発白内障では、白内障の手術後、しばらくして、嚢の中に残っていた水晶体の細胞が増殖し、水晶体嚢の後ろの部分をにごらせることで起こります。通常は手術後、1~2年でにごりがみられるようになり、視力の低下につながります。発生する頻度が高い合併症で、白内障手術後の5年間の発症率は約20%といわれています。
点眼薬の使用や、眼内レンズの形状の工夫などによって、後発白内障の進行を遅らせることが可能になっていますが、今のところ完全な予防法はなく、通常は通院による外来治療で改善されます。 後発白内障の治療は、レーザーでにごった水晶体嚢に孔(あな)を開け、目の内に光が入るようにすることで改善します。レーザー治療は痛みもなく、短時間で終わるので、通常は外来通院での治療が可能です。ただし、にごりの程度が強いなどの場合は、入院による手術加療が必要になることもあります。
治療後、レーザーで破った嚢の破片が目の中に散らばるため、糸くずやゴミのようなものが飛んでいるように見える飛蚊症(ひぶんしょう)の症状がみられることもありますが、徐々に改善するとされています。まれに治療に伴う合併症を起こすことがあるので、治療後に痛みや、かすみなどの症状が出た場合は、速やかに主治医に相談しましょう。通常、後発白内障は一度治療すれば、再発はまれといわれます。相談者の見え方が、後発白内障かはわかりかねますが、白内障の手術後に、見え方の変化が生じたら、再度、眼科を受診し、相談することをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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