うつ病治療で５年。病院を変えるべき？

うつ病がよくなっている気がしないとのこと、ご相談者の健康状態としては、ずっとよくない状態がつづいているのでしょうか。それとも、よくなったり悪くなったりと波があるのでしょうか。また、調子の波はよいときはとても元気だけれども、悪いときはとても悪いなど、大きな波であったりするのでしょうか。

うつ状態には、うつ病の症状としてあらわれていることのほかに、身体疾患やそのほかの精神疾患が関係していることもあります。それを見極めるためには、ふだんの様子や気になったことを、主治医にしっかりと伝えることが大切です。また、処方薬が合っているか、服用する量が適切かも大事な点です。

主治医には、疑問に感じていることや今後の見通しを尋ねたり、なかなかよくならない不安な気持ちを伝えてみましょう。もし主治医の対応に納得できず不信感を持ってしまうようであれば、セカンドオピニオンとして、ほかの医師に意見を聞くのも1つです。そこまでは考えていなければ、今の主治医がご相談者の治療経過をいちばんよく理解しているので、そのまま治療をつづけるのがよいかもしれません。

話は変わりますが、ご相談者が最初に調子を崩したきっかけとして何が思い浮かびますか。もし、きっかけや原因と考えられるものがあったのであれば、そのことは解決していますか。このようなことを尋ねるのは、何か原因となるものが解決しないまま存在していたり、仕事や家庭などの環境から受けるストレスが大きい場合は、ずっとストレスにさらされているために、投薬治療だけでよくなることがむずかしい場合も考えられるからです。こうしたケースでは、環境から受けるストレスを改善するよう工夫したり、ストレスとなるものを取り除いていく過ごし方も大切になります。

そうはいっても、環境を変えたり、ストレスを取り除くことがむずかしい場合も多くあります。その場合は、カウンセリングなどでストレスへの上手な対処を学び、自身の捉え方を工夫することも行われます。ただ、こころの状態によってはカウンセリングがかえってこころの負担になることもあるので、利用するタイミングは主治医と検しててください。いずれにしても、まず自身で一度ふり返りつつ、しっかり主治医と話をしてみてくださいね。