尿道結石の石が出るまでの生活上の注意点は?
左の脇腹に急に激痛が起こり、救急病院に行ったところ結石の疑いがあり、痛みが続いたら泌尿器科を受診するようすすめられました。泌尿器科で検査し、尿道結石と診断され「小さい石だから尿と一緒に出るでしょう」といわれたものの、このまま何もしないのも不安です。生活上で気をつけることはありますか?
男性/40代
2022/05/30
尿道の結石が見つかり、受診後、自然排石で経過をみているのですね。今回は排石を促すための生活面の注意点について説明します。尿管は腎臓と膀胱をつないでいる長い管で、左右に1本ずつあります。尿道結石は膀胱から排尿口までの管に結石がある状態で、そのほかに腎臓、尿管、膀胱にも結石ができることがあり、これらを総称して「尿路結石」と呼びます。尿路結石は頻度の高い病気で、男性に多い傾向があります。結石の成分により、カルシウム結石、尿酸結石などの種類があり、カルシウム結石が大部分を占めます。
おもな症状は疝痛(痛み)で、腎臓にあった結石が腎盂や尿管へ下がり、石のある側の背部やわき腹にかけて激しい痛みの発作を起こすこともあります。しかし、このような疝痛発作が必ず起きるとは限らず、大きな結石の場合などは、時々鈍痛がある程度や、まったく症状がない場合もあります。通常、結石が下がるにしたがって痛みの部位が変わります。膀胱付近まで下降してくると尿が近くなる、膀胱炎のような症状が出るほか、膀胱内に結石があると排尿の終わりに痛む、血尿、排尿途中で尿が一時とぎれるなどの症状がみられることもあります。
尿路結石の治療はおもに次の3つに大別されます。
●痛みなどの症状に応じた治療と、運動や飲水による自然排石促進、排石促進剤の使用
●薬物による溶解療法
●内視鏡や体外衝撃波による砕石(外科的治療)
5㎜以下の結石は、自然排石する場合があるので、まずは水分を十分に摂取(1日2L前後)して、痛みのないときには、歩行や縄跳びなどで十分に体を動かします。10㎜以上の結石の場合は、一般的に自然排出はむずかしいとされています。自然排出が困難な場合は、砕石などの外科的治療を行うことが一般的です。なお、尿路結石が10㎜以上で自然排石が困難な大きさ、頻回な痛み、腎盂腎炎など感染症の合併、腎機能障害などがみられるときは、一般的に外科治療が行われます。
結石の多くを占めるカルシウム結石には、結石を溶かす効果が認められる薬が今のところなく、一部に溶解可能な結石とされるものもありますが、ほとんどの場合は再発予防の目的で使用されています。尿路結石は再発も多く、食事などの生活習慣が大きく関係するといわれています。1日3食、バランスのよい食事をとることを心がけ、朝食抜きや食べすぎは避けます。結石をつくる物質の尿中濃度は、食後2~4時間で高まるため、夕食後すぐに就寝することは避け、夕食は就寝の4時間ほど前までに終わらせましょう。これらを守ったうえで、以下のような食事内容にも気をつけましょう。
●食生活での注意点
・魚、肉、卵、乳製品といった動物性たんぱく質をとりすぎない
・ ほうれん草やたけのこ、チョコレート、紅茶、緑茶などに多く含まれるシュウ酸を多く含む食品をとりすぎない
・塩分や脂肪をとりすぎない
・カルシウムは1日600~800mgほど摂取する
・炭水化物は穀物類でとるようにして、甘い飲み物や菓子などの砂糖のとりすぎに注意する
・食事以外に、1日1.5~2L程度の水分をとる
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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