痛いからと歩かず、ひざを伸ばしたまま座る義母が心配……
義母(63)はひざが痛いと言う理由で歩かないし、ひざを曲げずに足を伸ばしたまま座るので、ひざが曲がらなくなってきました。このままだと将来が心配です。どうしたらよいでしょうか?
女性/30代
2022/01/28
ひざの痛みはさまざまな原因で起こりますが、けがやスポーツなどの外傷がきっかけではなく、中高年になってから起こる原因で最も多いのは変形性質関節症です。ここでは変形性膝関節症についてお伝えします。
ひざ関節の骨の先端はそれぞれ軟骨でおおわれ、クッションの役割を果たしています。ひざを長年使うと、その軟骨がすり切れて滑らかさが失われます。そして、骨どうしが直接触れるようになることで痛みがひき起こされる病気が、変形性ひざ関節症です。
変性はとくに内側に強く生じます。ひざを支えている大腿の筋肉も弱くなっているので、初期の段階では歩き始めに痛みを感じます。軟骨のすり減りが進行していくと、歩いているときにも常に痛みが起こるようになります。さらに進行すると、ひざの曲げ伸ばしをすることがとても苦痛になり、正座もつらくなります。
日本人にはO脚が多いうえ、正座をするために無理な力がかかり、ひざ関節に変化を起こしやすくなります。とくに女性に多い病気です。年齢以外の要因として、肥満によるひざへの負担が増すこと、運動不足でひざを支える筋肉が弱くなることが挙げられます。
変形性膝関節症になると、痛みを避けるために動かなることでさらに肥満や運動不足となり、ひざへの負担が増すという悪循環が起こります。
治療は、病状の程度によって異なります。すり減った軟骨はもとの正常な状態には戻せませんので、治療の目的は、病気を進行させないこと、痛みなどの症状を抑えることです。肥満の解消、運動、薬、手術などの治療法があり、病状の程度によって選択肢が異なります。
基本となるのは、肥満がある方は減量をしてひざへの負担を減らすこと、できるだけ動くことを心がけて、ひざの周囲の筋力をつけてひざ関節の補強をすることです。その治療をつづけても改善しない方や痛みが強い方は、薬を使って痛みを和らげます。
生活面では、ひざへの負担を減らす工夫を行います。正座を避けて椅子の生活にする、トイレは様式に、寝室は畳に布団ではなくベッドにすることです。歩くときは杖を用い、ひざ関節を補強するようなサポーターや軽い装具を使用することもあります。
それでも症状が改善されず、痛みが強く日常生活に大きな支障をきたす場合には、人工ひざ関節置換術などの手術が検討されます。
今後については、お母様のひざの痛みの原因を確認し、日常生活上の注意点やケアの方法、運動量や負荷の程度、ひざの補強に効果的な運動を知るためにも、整形外科で相談いただき、お母様の病状に合わせたアドバイスを受けられるとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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