Question

橋本病で太った、やせるお茶を飲んでよいか

橋本病になり、内服治療中です。食事などの生活は変わらないのに体重が15kgほど増えました。病状は落ち着いていますが、腹筋や腕立て伏せなどは力がなくできず、運動が苦手で減量できません。体重は減らしたいので、おなかなどの脂肪が減るお茶のCMに興味をもったりしますが、飲んでもいいのでしょうか?

女性/50代

2022/01/28

Answer

橋本病の療養中で、発症後に体重が増えてしまい減量したいとのこと。運動が苦手なので、減量をうたう市販のお茶を、薬を飲みながら使用してよいのか、とのご質問ですね。

橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺ホルモンの減少によって起こる、甲状腺機能低下症の代表的な慢性の炎症性の病気です。甲状腺は、首の前面、のどぼとけのすぐ下にあり、甲状腺ホルモンの生成と分泌の働きをしています。甲状腺ホルモンは、全身の各器官の働きを活発にし、新陳代謝をよくする作用があります。

橋本病の症状は、時間をかけてゆっくりと進み、ある程度進むと甲状腺ホルモンの不足により甲状腺機能低下症に至ります。甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモン分泌の低下で全身の器官の代謝が低下するもので、寒がる、倦怠感、動作が緩慢になる、便秘、体重増加、月経異常、皮膚の乾燥、むくみ、声のかすれ、脱毛、眠け、無気力などの症状があります。甲状腺機能の低下が一時的でなければ、治療は甲状腺ホルモンを補う薬物療法を中心に行います。

治療が落ち着き、症状や甲状腺ホルモン値が安定している方は、とくに生活の制限はありません。ただし、栄養面では昆布などヨードを多量にとらないように注意する必要があります。昆布など海藻類を毎日過剰にとると、甲状腺の機能が低下して悪影響を及ぼすことがあります。民間療法で、根昆布の汁を飲むなどの健康法が見受けられますが、橋本病の方には不向きです。それ以外では、主食、主菜、副菜を基本にバランスよくとることを心がけ、野菜や果物、乳製品や魚なども組み合わせます。食塩は控えめにして、脂肪は量を考えてとるようにしましょう。

今回ご質問いただいたのは、「脂肪が減るお茶」ですが、お茶に限らず「からだによい」「健康によい」とうたわれる商品はさまざまあり、広告のイメージが強く残りがちで、見る側に過剰な期待を抱かせることもあります。また、商品ごとに成分に差があり、効果に個人差が大きいこともあります。療養中の方が、サプリメントや健康の効果をうたう商品などを使いたい場合、治療に支障をきたさないかを考え、まず主治医へ相談しましょう。


運動は苦手とのことですが、活動量は運動に限らず、日常生活のなかで増やすことも可能です。例えば、エスカレーターやエレベーターを使わず階段を使う、電車を利用する際は一駅分歩く、拭き掃除をする、歯磨き時にかかとの上げ下ろしをするなど、行動を工夫することでも消費エネルギーは多少増えます。運動の効果は直後には得られず、中断するとなくなるため、継続することが大切です。生活のなかで無理なくつづけられることをいくつかとり入れていただくとよいと思います。


ご相談者は医師のもと病気療養中なので、病状を悪化させないように減量する必要があります。減量に取り組む場合についても、主治医から1日の摂取カロリーや、運動に関するアドバイスを受けてから始められるとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

\ アンケートに答えて健康相談を無料体験 /

関連するキーワード

甲状腺の病気
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。