火事現場を見たつらい記憶が頭から離れない
近所で火災があり、よく知っている方が亡くなりました。夜中だったのですが、現場に駆け付けました。2週間が経つのですが、家の近くになると、憂うつな気分になり、足が震えてきます。夜にお風呂に入って顔を洗ったり、髪を洗ったりするのが嫌なのです。目を閉じると、火災現場の様子が浮かんできます。以前から軽いうつ病だったので寝るときは、抗不安薬を飲んでいます。毎日がつらいです。思い出さない様になるには、月日が経たないと無理でしょうか?
女性/30代
2022/01/28
知人の方が火災により亡くなられたとのこと。大変痛ましいことですね。心よりお悔やみ申し上げます。しかも、あなたはそのとき、実際の火災の様子もご覧になったとのこと。さぞかし衝撃を受けられたことでしょう。つらいお気持ちが続いているのも、無理のないことと思います。
人は日常的に経験する範囲を超えて、突発的で衝撃的なできごとを経験したり、見聞きしたりすると、心身にさまざまな影響が出ると言われています。あなたが体験されている様に、現場が目に浮かぶ、いわゆるフラッシュバックもその影響の1つと言えるでしょう。
そのほかにも気持ちのうえでは、不安や気分の落ち込み、怒りやイライラ感が強くなったり、自責感を強く感じたりすることがあります。からだの面では、疲れやすい、眠れない、悪夢を見る、食欲が落ちるといった変化が生じたり、逆に過食になることもあります。事故を思い出させる場所や人を避ける、落ち着かないといった行動面の変化が出ることもあります。
こうした変化は、決して異常なものではなく、自然で正常な反応です。抱えきれないようなできごとを何とか乗り越えようとする人間の反応なのです。こうした反応が生じた際に必要なことは、まず良質な睡眠をとって十分な休息をとることです。寝るときに抗不安薬を服用されているということですが、よく眠れていないのではないでしょうか?
以前から軽いうつ病だったということですので、主治医がいることと思います。医師に今のつらい状況を相談できていますか? まだ相談されていない様でしたら、ぜひ相談してみてください。医師からのアドバイスはきっと役に立ちますし、お薬を調整してもらうことで楽になる面もあるのではと思います。決して1人で抱え込まず、早めに相談してくださいね。
自分でできることとしては、やはり自分自身へのケアを心がけていただきたいと思います。衝撃的なできごとを見聞きしたことにより、からだは防衛本能が活発に働き、何かあってもすぐ自分を守れるよう、緊張状態になっていると言えます。
緊張をほぐすためにも、まずは十分な睡眠がとれるよう、毎日決まった時間に起床・就寝し、生活リズムを整えることを意識してください。家事や育児、仕事などもできるだけ無理のないようにし、意識してリラックスできる時間が作れるといいですね。
誰か安心できる人と一緒にいたり、話を聞いてもらうのも手です。お風呂なども無理せず、朝や日中に入れそうであればそうしてみたり、ご家族がいればそばにいてもらったりと、柔軟に考えてもよいのではないでしょうか。
今のつらい状況が改善して楽になるまでには、少し時間がかかるかもしれません。知人の方との関係によっては、その方を亡くされた悲しみや痛みが、通常より長くつづく場合もあるでしょう。なかなか改善しない様であれば、主治医や地域の精神保健福祉センターに相談し、カウンセリングなどを通して気持ちを整理していくことも検討してください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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