Question

熱中症の症状と予防法

熱中症の予防は、水分補給と塩分だけでしょうか、教えてください。また、熱中症の症状は、めまいと頭痛とふらつきですか?

女性/40代

2022/01/28

Answer

近年、夏には酷暑や災害級の暑さなどと表現される厳しい暑さがみられますが、熱中症による健康被害も多発しています。熱中症については、十分に注意してもし過ぎることはないようです。


熱中症は、温度や湿度が高い環境にからだが適応できないことによって起こる、さまざまな症状の総称です。ふだんは体温が上がると汗をかく、皮膚表面の血管が拡張するなどして、からだの熱を放散させ、体温を一定に保つ調節が行われていますが、これらは自律神経が無意識に調整しています。


高温多湿な環境下では徐々に体内の脱水が進み、体内のナトリウムなど電解質のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かず、体温を下げることができず、体内に熱がこもっていきます。日中の屋外の作業やスポーツ時に加え、夜間の睡眠中や日中静かに過ごしているときなどでも発症します。


体重2%程度の脱水ではのどの渇きを感じ、脈拍数が上昇を始めます。体重3~4%程度の脱水では、イライラや食欲減退、皮膚の赤潮や疲労困憊などの症状が表れます。体重5%以上の脱水では、言葉が不明瞭になったり、けいれんや呼吸困難などの症状も起こります。


●熱中症が懸念される症状

軽度:めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い

中度:頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う

重度:返事がおかしい、意識の消失、けいれん、からだが熱い


自力で水分がとれない、意識がない、もしくはおかしいと感じるときは、直ちに119番通報をしましょう。

自力で水分がとれる場合は、涼しい場所に移動し、衣服を脱いでベルトなどを外し、保冷材でからだを冷やします(首の横・わきの下・お腹と脚の境目などが冷えやすい箇所)。経口補水液500mℓを30分くらいの時間をかけ少量ずつ飲み、症状が回復しなければ医療機関を受診します。


熱中症とほかの体調不良の区別がつかないときは、経口補水液を飲んでみましょう。おいしい、もっと欲しいと感じる時は、熱中症や脱水症の可能性を考え、速やかに対処を。


熱中症や脱水症の水分補給には、水に塩分と糖を適度に加えた飲料をすすめます。市販の経口補水液は、熱中症や脱水時には最もすすめられますが、近いものを家庭で作ることも可能です。これらがない時はスポーツドリンクや水、お茶を飲みます。


●家庭で経口補水液を作る方法:ボウルに以下の材料を入れて、よくかき混ぜる

水……1ℓ

塩……3g(小さじ1/2)

砂糖……20~40g(大さじ2と1/4~大さじ4と1/2)砂糖の量が範囲内だと吸収率がよい


通常の食事がとれていて、多量の発汗がない通常の状態のときは、経口補水液を使用する必要はありません。必要のない時に常用すると、塩分などが過剰摂取になります。


熱中症の予防は水分摂取に加え、規則正しい生活を送り、体調を崩さないようにすることです。一日三食のバランスの良い食事・睡眠をとり、持病は治療して体調を整えます。


気温、湿度、輻射(放射)熱から算出される暑さの指数(WBGT値)は、「熱中症予防情報サイト」に掲載されています。日常生活や運動などに関する指針も定められているので、これらの情報も活用し、熱中症を防ぎましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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