にきびができやすく、痕も気になる
甘い物を食べると、翌日くらいからにきびができます。しかも口の周りばかりで、他の場所にはあまりできません。へこんではいないのですが、痕がたくさんあり、気になります。何とかならないでしょうか?
女性/20代
2022/06/18
甘い物を食べると、口の周りににきびができて、お困りとのこと。痕も気になりますし、早く治したいものですね。
にきびは、思春期から30代にかけて顔・背中によく見られる皮膚の疾患で、皮脂の分泌が多いことと毛穴の出口がつまることが原因で発症します。
初めは毛穴に皮脂がたまったものの、炎症がない白にきび、黒にきび(面疱)となります。その後、皮脂がたまって箇所ににきび菌が繁殖して炎症が起こり、赤く腫れたにきび(丘疹<きゅうしん>)になったり、うみをもったにきび(のう疱)となります。さらに炎症がひどくなると、皮膚の深部にかたいしこりをもったにきび(のう腫、硬結)になります。
にきびの種類は、面皰(めんぽう)やのう疱(のうほう)が主体の「尋常性ざ瘡(じんじょうせいそう)」、のう疱が主体の「のう疱性ざ瘡」、のう腫が主体の「のう腫性ざ瘡」、のう疱・結節・のう腫が多発して集まっているものがあります。
外用薬・抗生物質などの内服薬・光治療・ケミカルピーリングなどがあり、それぞれのタイプにより治療方法が異なってきます。
炎症のない軽症のにきびには、ビタミンB2とB6などのビタミン剤の投与を行います。この段階では、ケミカルピーリングも有効な治療法の1つです。
丘疹やのう疱などの症状には、抗生物質や塗り薬を使って治療をします。ビタミン剤を併用することもあります。抗生物質は、テトラサイクリン系かマクロライド系のものがよく使用されていますが、最近ではニューキノロン系の有効性も報告されています。
外用薬としては、硫黄製剤・抗生物質を含むクリームやローションがあります。
のう腫や硬結は治りにくく、瘢痕(はんこん)が残りやすくなります。特殊な治療を行うことがあるため、こうしたにきびの場合や症状がひどいときには、皮膚科専門医に相談しましょう。
光治療には、青色光による治療、ポルフィリン誘導体という物質を外用してから光をあてる治療(光化学療法)、レーザー治療などがあり、その有効性が確認されています。
ケミカルピーリングも効果的で、行う施設も徐々に増えてきています。
光治療、ケミカルピーリング、レーザーは保険適用外治療のものが多いため、医療機関に問い合わせ、内容や費用の説明を受けてから受診するとよいでしょう。
にきびを防ぐ日常生活の留意点をご紹介します。
●しっかり洗って、よくすすぐ
石けんでしっかり洗顔します。皮脂が多い脂性肌の場合、皮脂を落とす洗顔料を使い、乾性肌の方は皮脂を落としすぎない洗顔料を使います。
●患部には化粧をしない
化粧は毛穴をふさぐため、痕を残さないためにも患部には化粧をしないようにしましょう。ファンデーションを使ったら、帰宅後直ちに洗い落としましょう。
●規則正しい食事・睡眠・排便を
食事は、主食、肉・魚・野菜・果物をバランスよく取りましょう。脂っこいものやスナック菓子、ピーナッツなどを大量にとるのは避けましょう。チョコレートやコーヒーなどの刺激物は甘みを抑えれば問題ないといわれています。また、アルコールは控えめに。睡眠不足や便秘は、にきびを悪化させるので気をつけましょう。
●患部は触らないように
にきびを触って刺激すると、炎症を起こし痕が残ります。頬づえをついたり、ふとんが触れたり、うつ伏せ寝で口元のにきびに触れ、炎症する場合があるので注意しましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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