扁桃腺が腫れて発熱した際の対処法
扁桃腺が腫れていて、熱があります。家庭での対処法を教えてください。
男性/40代
2022/01/28
扁桃腺の腫れと発熱の症状がおありとのこと。のどの痛みなどもおそらくあるのでしょう。今回は、扁桃の炎症があるときの対処法をご紹介します。
私たちの「のど」は、咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)からできています。一般に扁桃といえば、口蓋扁桃のことを指します。口を開けたときに見える口蓋垂(いわゆるのどちんこ)の付け根の両側にあり、塊のように見えます。
扁桃とは、のどの周辺に輪状にあるリンパ組織の総称で、これらは口や鼻、目から侵入した細菌やウイルスを見つけ、体中に感染を知らせて免疫防御を行います。
扁桃には、元々さまざまな菌などが付着しており(常在菌)、通常は扁桃のもつ免疫機能が働き、感染を防いでいますが、過労やストレスなどにより体の免疫力が落ちるとバランスが崩れ、扁桃に付着している菌などが活発に活動し、扁桃炎を発症することがあります。
口蓋扁桃は、体外から侵入する細菌やウイルスなどが入り込みやすい構造のため、しばしば炎症を起こします。扁桃炎(おもに急性)は小児期によくかかることが多く、通常は加齢とともにかかる回数が減少します。
急性扁桃炎の一般的な症状は39〜40℃の発熱、強い咽頭痛、全身倦怠感があり、のどの痛みが耳にまで広がることもあり、十分な治療を行い、休息をとることが重要です。
急性扁桃炎の場合、うがいやトローチ、市販のかぜ薬のみでは、症状を緩和する効果が期待できないので、発熱や強い咽頭痛がある場合は、医療機関で治療を受けることをおすすめします。ウイルスが原因であっても、細菌との混合感染であることが多いので、抗菌薬の内服や、食事摂取が困難な場合は点滴による治療などが行われます。
急性扁桃炎を起こしても、安静や医師による投薬治療によって短期間で症状が落ち着く場合は、あまり問題ありませんが、扁桃の炎症が持続して年に3~4回以上、高熱と強いのどの痛みなどをくり返す、膿がたまるなどの炎症が慢性化する場合は、外科的手術などの治療を行う場合もあります。
家庭での療養は、暖かくして安静を保つこと、十分な栄養と水分摂取を心がけることです。
急性扁桃炎では飲み込むときに強い痛みがあることが多いので、食事の工夫としては、腫れを刺激しないように飲み込みやすく、消化のよいものをとることです。主食としておすすめするのは、おかゆや雑炊、うどん。たんぱく質は牛乳やヨーグルト、アイスクリーム、卵入り味噌汁、プリン、豆腐などで補いましょう。辛味や酸味の強いもの、塩辛いもの、熱いものは粘膜を刺激するので避けましょう。
扁桃炎の予防としては、基本的にはかぜの予防と同じで、ふだんの生活の中で睡眠を十分にとり、過労や暴飲暴食を避けて規則正しい生活を送ることがすすめられます。外から帰ったらうがいを行い、歯みがきを毎食後に行って口の中を清潔にします。
元々鼻や副鼻腔の病気があれば口呼吸になりやすく、口やのどの粘膜が乾燥し、感染をしやすい状態になるため、治療をして鼻と副鼻腔の状態をよくしておくことは大切です。
ほこりっぽい場所や過度の飲酒は避け、再発防止のためには喫煙者は禁煙をおすすめします。
ご相談者の症状が、一日も早く改善されますようお祈りいたします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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