PRP療法とは
PRP療法とは、どのような治療ですか。膝の痛みに効果があると聞きましたが、本当ですか。
男性/40代
2022/01/28
PRP(多血小板血漿)療法とは、自分の血液中に含まれる血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、体に本来備わっている「治る力」を高め、治癒を目指す再生医療です。
もともとは皮膚科の難治性皮膚潰瘍や褥瘡(床ずれ)、やけど、糖尿病の人の壊疽、歯科の歯槽骨や歯肉の再生促進に使われてきました。
海外では、2000年ごろからプロのアスリートのケガの治療などにPRP療法が使われていました。最近は日本でも、ステロイド剤を使わない新しい治療法として注目され始めています。整形外科の分野での適応には、変形性膝関節症、テニス肘や靭帯損傷、半月板損傷などのスポーツ障害、足底筋膜炎などがあります。
ある医療機関のデータでは、約500例の変形性関節症の方にPRP療法を行い、全体の約60%に効果があったと報告されています。また、変形性膝関節症では、膝の変形が重症な方や肥満の方では、効果が低下するといわれています。
治療方法としては、自分の血液を約20㏄とり、特殊な技術を用いて血液中にある血小板を含む多血小板血漿(PRP)を抽出し、体の傷んだ部分に注射します。
現在、PRP療法は調製法の違いによりさまざまな種類があります。患部への投与の仕方も目視で行う場合、超音波ガイドを用いて行う場合など、医療機関によって異なります。また、投与回数、投与間隔なども個別の症状や医師の判断によって異なります。
PRP療法は、現在のところ保険診療としては認められておらず、自由診療で行われていますが、再生医療を行う実施施設(病院)は厚生労働省への届け出が義務付けられ、一定基準の安全性の確保が行われています。
自分の血液を使うことから、比較的安全性は高いといえますが、いまだ研究中の治療ではあります。PRP療法を受けるにあたっては、他の保存療法の有効性や手術の適応の判断も含めて、主治医とよく相談することをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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