親が緑内障の疑い。病気について知りたい

緑内障は視神経が障害され神経線維が減ることで、徐々に視野（物が見える範囲）が狭くなっていく病気です。視神経は、私たちが目で見た情報を脳に伝える働きをしています。視神経が障害される原因としては、眼圧（目の内側からかかる圧力で目の形状を維持する）の上昇があります。

眼圧は多少の変動はあるものの、通常は一定の数値（正常眼圧10～20㎜Hg）に保たれていますが、房水（眼球内で血液の代わりに栄養を運んでいる液体）の流れが悪くなることで上昇します。眼圧が上昇して視神経が損傷しても、自覚症状として感じることはほとんどありません。そのため、検査で早期に異常を見つけることが非常に重要です。40歳以上になったら、年に1回は緑内障の検査を受けることがすすめられます。特に親族の中に緑内障にかかった人がいる、糖尿病がある、強い近視がある人は緑内障になるリスクが高いといわれ、注意が必要です。

治療法としては、薬物治療（点眼薬と飲み薬）、レーザー治療、手術療法があります。緑内障はいくつかのタイプがあり、それによって選択される治療法が異なります。治療は長期にわたって行う必要があるため、自覚症状がなくなったからといって自己判断で治療を中断したり、薬を中止することは禁物です。

日常生活での留意点としては、定期検査を怠らないことのほか、眼圧の上昇を避けるために、首周りを締めつけるような衣類は避けること、長時間うつむいて仕事をしないことなどがあります。また、大量の水分（1L以上）を一度にとったり、カフェインの入った飲み物を過量にとること、過剰に興奮することなども避けてください。喫煙者は禁煙をはじめましょう。