Question

高齢の母の食事量が減って心配

80代の母は、活動量が減ったせいか食事の量が減っています。本人は元気なのですが心配です。以前に比べて肉などもあまり食べなくなりましたが、仕方がないのでしょうか。

女性/60代

2021/12/21

Answer

高齢になると消費エネルギー量が減り、食事でエネルギーをたくさん摂る必要がなくなるため、食欲が低下することがしばしばみられます。また、味覚や臭覚の機能が低下して食事が楽しめなくなったり、病気などで体力や気力が下がったりすることで、食欲が落ちることもあります。


食事量の低下で心配なのは、たんぱく質などの栄養が不足して低栄養状態を招き、その結果、筋力が低下したり、かぜや肺炎、貧血、骨折、脳卒中などを引き起こすようになることです。最近は、低栄養の一歩手前を新型栄養失調と呼び、この状態でも老化の進み方が早まり、死亡リスクが高まることが懸念されています。


体の栄養状態は血清アルブミン値で示されます。血清アルブミン値は、医学的には3.8g/dL以上あれば問題ないとされますが、高齢期をいきいきと自立して過ごすには4.3g/dL以上が望ましいとされています。


低栄養や新型栄養失調を防ぐには、さまざまな食品をバランスよくとることが大切です。特に動物性たんぱく質は効率よく体内で利用されるので、肉、魚、卵、牛乳などは毎日とるようにしましょう。高齢になると、どうしても魚や豆腐を好む傾向がありますが、肉は高齢期に重要なアミノ酸や脂肪酸を豊富に含んでいます。魚や豆腐、植物性食品などに偏らないメニューを心がけましょう。


なお、食欲不振の原因が病気や歯の状態、うつ状態などにあることが考えられる場合は、医療機関を受診して相談するようにしてください。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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