Question

大人も麻疹ワクチンの追加接種をすべき?

20歳前後の人は麻疹の予防接種の効果が薄れていると聞きました。 追加接種するべきでしょうか。

女性/50代

2022/01/28

Answer

平成19・20年(2007・2008年)に10代から20代の人を中心に麻疹が流行し、多数の高等学校や大学が休校措置を行うなどの社会的問題が生じました。当時、10代から20代の人たちの中には、一度も麻疹の予防接種を受けていない方や一度で十分な免疫が獲得できなかった方が多くいたものと考えられています。

かつては小児のうちに麻疹に感染し、自然に免疫を獲得するのが通常でしたが、麻疹ワクチンの接種率の上昇で自然に感染する人は少なくなってきています。そのため、幼少時にワクチンを1回のみ接種していた当時の10代から20代の方は免疫が強化されず、時間の経過とともに免疫が徐々に弱まっている方がいたと考えられています。

その後、平成20年4月から平成25年3月にかけて、定期の予防接種の接種機会が1回であった中学1年生相当の年齢の方(3期)と高校3年生相当の年齢の方(4期)を対象に、時限措置として2回目の接種を実施し、その後当該年齢層の抗体保有率が上昇し、麻疹の発生数は大幅に減少しました。


また、1期、2期の定期接種の積極的な勧奨を行い、2015年3月、日本はWHOより麻疹の排除が達成されたとの認定を受け、その状態を維持しています。現在では2歳以上の全年代において、抗体保有率は95%以上に保たれています。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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