子どもの発達に問題があるのか心配

授業中、話が聴けず集団活動ができないと、確かに困りますね。お子さんはそのとき何をしていいのかわからず、活動や学習に遅れが出てくる可能性がありますし、図工や体育など、けがや事故の恐れがある活動で話が聴けないと危険です。親として不安になるのは当然でしょう。一方、先生も１人で大勢の児童を見ているため、個別に細かく声をかけることは難しく、悩んでいるかもしれません。

では、お子さんは今の状況をどう感じているのでしょうか。「聴くことができていない」というのは、あくまで周囲の大人から見たお子さんの様子です。実際けがや事故に繋がりそうでしょうか。反応がない、または先生が話しているときに別のことをしているだけで、いざ活動が始まれば参加できているのでしょうか。

発達が気になるというご相談はよく伺いますが、本人が困っているというよりは、親や先生といった周囲の大人が心配している、困っている、もしくは子・親・先生で困っているポイントが違うというケースが多いように感じます。まずは誰がどのように困っているのか、心配しているのか書き出してみてください。そこにはお子さんがどう感じているかも含みます。ご本人は十分聴けている、参加できていると思っているかもしれませんし、逆に、指示が一度では理解できず、周りを見てどうにか追い付いているかもしれません。みんなより早く行動し、勝たなければ、満点を取らなければ「できない」と感じるお子さんもいます。この整理ができると、解決策が見つけやすくなることでしょう。

困り事や心配事はすぐ解消するものではありませんし、成長と共に変化していきます。お子さんにとってベストな方法が見つかっても、それをサポートする大人たちに無理がかかるようでは続きません。考えに迷ったときは抱え込まずに、専門機関に相談してみてください。共に考え、経過を見てくれる場があることで安心感が生まれ、事態の好転が期待できると思います。