うつ病の復職者への接し方
うつ病で数か月間休職していた同僚が復職してくることになりました。うつ病について、自分なりに理解をしているつもりです。それでも、うつ病の復職者を受け入れた経験がまだなく、どのように関わることがよいのかわからず、とても不安です。うつ病の復職者への接し方について、注意する点がありましたら教えてください。
男性/40代
2021/12/21
ストレス社会といわれる現代、うつ病患者が増加の一途をたどり、休職して治療に向き合っている社員の方々も多くなっているのが現状です。そのため、うつ病から復職してきた社員が、自分の職場にもいるというケースも特別なことではなくなりました。うつ病についての一般的な知識は広く浸透していますが、それでも実際、職場で一緒に仕事をするとなると、「うつ病」というだけで身構えてしまいがちです。そして、どのような点に注意して接し、どのような配慮が必要なのか、わからないという人は、意外に多いのではないでしょうか。
うつ病は、身体的な疾患とは異なり、はっきりとした回復の形が見えにくい病気です。復職できても、完全に回復しているケースは少なく、ストレスが重なれば、再発しやすい病気でもあります。そのため、「もう治っているのだから、普通に仕事をしてもらおう」と考えることは禁物です。むしろ、「回復途中」と考え、過度な期待は控えるようにしましょう。
復職する社員の立場になって考えてみましょう。おそらく、「受け入れてもらえるだろうか」、「仕事はあるのだろうか」と、不安な気持ちでいっぱいなはずです。一番不安なのは、あなたではなく、復職してくる本人です。その不安を取り払うためには、“おかえりなさい”という気持ちで温かく迎え入れることが大事です。「おはようございます」、「お疲れさまでした」などの、日常的な挨拶を自然にしてください。そうした、さりげない声かけをすることで、不安な気持ちの復職者も安心できると思います。
一方で、病人扱いされたり、腫れ物に触るような関わり方をされると、「気を遣われている」と傷ついてしまったり、「特別視されている」と感じたりすることがあります。仕事以外の新たなストレスを背負い込むことがないような配慮が必要です。つまり、他の人たちと同じように接することが基本だということです。
復職者の体調が不十分であると理解していても、突然休まれたり、それが続いたりすると、戸惑うこともあるでしょう。そんなときの対処法などは、事前に上司と相談し、確認しておくことをお勧めします。あなたが個人で考える問題ではなく、職場全体の問題ですから、職場として、基本的な対応を統一しておくことが大切です。
うつ病の復職者が職場復帰していくためには、周囲の理解とサポートが必要です。安心して出勤できる体制を協力して作ってあげることが、復職者のスムーズな復帰を促すことにつながります。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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